マミチャジナイ 
   
 
暮らしとの関わり
 冬期、大陸から柏崎に渡って来るツグミの仲間の代表種は、いわゆるツグミである。次がシロハラで、いずれも既に本サイトにアップ済みである。その次が、このマミチャジナイと思っていたが、なかなか双眼鏡の視界や、カメラのファインダーなどの中に入ってくれず、確実な情報を掴むことができなかった。この秋、ようやく写真を撮れたので、マミチャジナイをお伝えできることになった。
 ツグミは、開けた場所が大好きで、芝生広場や田圃などで見ることができる。しかし、それも厳冬期が終り、日照時間が長くなってくるころで、大陸からの渡来直後は、そんな場所近くのまばらな林などにいる。そして、時おりオープンスペースに出てくる。シロハラはオープンスペース近接の林の中で鳴き声を聞くことができる。そして、ツグミと同じように時おりオープンスペースに出て来るが、その頻度はツグミより少ない。
 このマミチャジナイは、シロハラより奥の林内にいるようだ。声はすれど、姿が見えないことが多い。今回は、たまたま山に実った柿の実を食べているところを見つけることができた。やはり最初は、鳴声でその存在が分かったが、柿の木のような、目立つ場所にいるとは気付かず、関係のない近くの林ばかり見ていた。少し時間が過ぎてから、ようやく柿を啄むマミチャジナイを見つけることができた。鳴き声は、熟した柿の実をめぐっての争いだったようだ。熟した甘い柿の実しか食べないためか、その少ない熟柿が争いの元のようだ。最大で7羽のマミチャジナイが写っているが、実際はもっといたものと思う。ここ柏崎で栄養補給して、さらに南へ渡っていくものと思っている。マミチャジナイは、石黒の秋の林にも立ち寄っていると思う。
 なお、この柿の木には、カケスアオゲラなども立ち寄っていた。(長谷川)

動画資料−柿の実を食べるマミチャジナイ


     群れでカキの実を食べるマミチャジナイ

写真  柏崎市内 長谷川



解 説
ツグミ科
 
日本では主に渡りの途中に飛来する旅鳥(春−4〜5、秋−9〜10月)とされるが、少数が冬季に西日本や南西諸島で越冬する。全長22p、翼開帳37pほどで、ムクドリよりやや小さく、姿はアカハラによく似る。
背面や翼は褐色。胸から側面はオレンジ色で腹部は白い。眼上部にある眉状の斑紋も白い。オスの頭部は灰黒色でメスは淡灰色で喉は白く薄い縞模様が見られる。上嘴は暗褐色で、下嘴の基部は黄色味がかる。脚は橙褐色。
 食性は雑食で、昆虫類やクモなどや果実(ハリギリキハダクサギナナカマドハゼノキミズキ等)等を食べる。木の実を食べていることが多いが、初秋には木の高いところで実を食べているので姿は見つけにくい。
 鳴き声は「キョイ、キョイ」、「ツィーピー」と聞こえ、アカハラの鳴き声ににている。(編集会)



    オス(上)とメス(下)

写真  柏崎市内 長谷川

    メスの白い喉部
写真  柏崎市内 長谷川