アオゲラ
   
暮らしとの関わり
 アオゲラは、アカゲラとともに柏崎周辺では馴染みのあるキツツキである。柏崎の山間地の集落では、両種を区別せずにケラツツキと呼んでいたが、近年はアカゲラ、アオゲラを呼び分けている。  アオゲラと呼ばれているが、実際の色彩は緑色に見える。(左写真)青と緑は、信号機の色でも混同している。いずれにしろ、緑色のアオゲラというキツツキである。アカゲラより一回り大きい。
  秋に里の人家近くに来て、“ピウ、ピウ”と特徴のある声で鳴くことから、前出のとおり多くの人に知られている。この声を聞いて秋を感ずる人も少なくない。冬に入ると、秋まで近くの山野で過ごしていた鳥たちも里へ旅立つ。そのため林から鳥の鳴き声が消える。そんな中、この鳥の“ピウ、ピウ”や“ケィッ ケィッ”は目立つ。晩秋、冬の音である。
 また、この鳥は、山間地で住居や作業小屋などの板張りの外面をクチバシで突き穴を開けることでも知られている。アオゲラにとっては、巣作りや餌探しの穴開けであるが、住む人にとっては大きな迷惑である。(情報提供−文 長谷川)

石黒では、キツツキを「ケラツツキ」と呼び、アオゲラの他にアカゲラ、さらにオオアカゲラコゲラの4種のキツツキが見られる。 
 子どものころから、ケラツツキは親しみのある鳥であった。アオゲラ、アカゲラ、オオアカゲラの派手な羽色にまつわる昔話があり、祖母から度々聞いたためであろう。
 一方、ケラツツキは家の壁板に穴をあけることから嫌われた。筆者の家の土蔵は鞘蔵であったが、外壁の板に、いくつもの穴があけられていたことを憶えている。
 ところで、このキツツキたちの壁板などに穴を空けるときの音を聞くと、いつも興味深く思うことがある。それは、その音とリズムが、大工が釘を打つリズムにそっくりだということだ。時々入る間(ま)も、まさにそのものずはりであり、筆者は何度もだまされた。
 さて、昨日(2022.12.3)、前日の初雪の報に驚き、石黒の山小屋の冬仕舞いに行ったところ、小屋の中に迷い込んだアオゲラがいた。希なるチャンスと、体の各部を撮影したのが下の写真である。実は、3年前頃からアオゲラがこの小屋の北側の軒下の部分に直径5pほどの穴をあけ、現在では4個ほどになって対策に手を焼いている。このアオゲラは、おそらく、この穴から迷い込んだのであろう。

 上写真 2016.12.26 柏崎地域 長谷川


            翼の表側の様子

写真 2022.12.3 下石黒

        翼の裏側表の様子

 写真 2022.12.3 下石黒


解 説
キツツキ科
 本州から屋久島に生息。日本固有種。平地から山地にかけて森林に生息す。
 全長29〜30p。体上面の羽衣、尾羽や翼は黄緑色で、名前の由来となっている。背中や肩羽は灰色を帯び、胸部の羽衣は灰褐色。腹部の羽衣や尾羽の基部の下面は白い。
 頭部や首部の羽は灰色で、嘴の基部から側頭部にかけて黒い筋模様が入る。あご線の一部は赤く、喉は白い。初列風切りは黒褐色で白い斑点がはいる。肢(あし)の色は灰色。
 オスは額から後頭にかけての羽衣が赤く、メスに比べてあご線にある赤身の部分は大きい。
 食性は木の幹や枝で昆虫を捕食し食べるが地上の昆虫も食べる。また、雑食性があり果実も食べる。
 営巣は生木の幹に掘った巣で、雄雌交代で抱卵する。



  横から見た頭部の様子

写真 2022.12.3 下石黒

     頭部上の様子

写真 2022.12.3 下石黒

  胸から腹の部分の様子

 写真 2022.12.3 下石黒

    尾羽の部分の様子

写真 2022.12.3 下石黒