ナナカマド
暮らしとの関わり
 ナナカマドは、石黒では、大変めずらしい樹木の一つである。私は、いまだ一度しか出会っていない。
 上の写真は上石黒峯坂で私が出会った唯一のナナカマドを撮ったものである。それはブナ林の縁に生えた径30pほどの大木である。
 2007年の春、雪害で径15pほどの木が根元から折れ道路上の斜面に倒れたが、三分の一ほど基部とつながっていたため芽吹いたためナナカマドであることを知ったのであった。さっそく倒れた幹に沿って斜面を上ってみると隣接してもう一本の大木があることを発見したというわけであった。〔下写真〕
 ナナカマドの果実は赤く美しいが、不味く鳥が最後に食べる実といわれる。にもかかわらず、秋の山を歩いてもなかなか出会うことはない。このことからも石黒では極めて希な木であることが分る。

(上写真2005.7.5 右下写真2005.9.17 上石黒峯坂) 


            嶺坂の大木

写真2007.7.27上石黒
               果実期-1

                果実期-2

                果実期-3

写真2007.11.27嶺坂

         色づいた果実

写真2007.11.27嶺坂
         
       果実の中と種子

写真2007.11.27嶺

解 説
バラ科
 北海道から九州まで広く分布する落葉小高木で径30pほどになる。
 樹皮は灰色を帯びた暗褐色で表面はざらつき皮目がある
〔下写真〕。枝は濃紫紅色〔下写真〕。
 高さ10mに達する。
 葉は羽状複葉で互生し、奇数羽状複葉小葉は5〜7対。小葉の長さ3〜10p、幅1〜1.7p。柄はなく縁は細かい鋸歯あるいは重鋸歯があり先端は状になる
〔左下写真〕
 花期は7月。白い小花(径0.5〜1p)がかたまってまってつく。ガクは倒円錐形で5裂し花弁は5個で平たい円形、内面に毛がある。雄しべは20本、花柱は3〜4本基部に軟毛が密生する。
 果実は球形(径0.5pほど)で集合してつき垂れ下がる。春から秋にかけて緑〜黄〜赤と色を変える
〔写真参照〕
 材は堅く腐食しにくく細工物などに使われる。
 名前の由来は七回カマドに入れても燃えないほど堅い木という意味。



         冬芽

写真2008.12.25上石黒

         若芽


撮影日2011.5.1上石黒

    ナナカマド青実


撮影日2005.7.5上石黒

    色づき始めの頃-1

  撮影日2010.9.7上石黒

  色づき始めの頃-2

撮影日2018.9.6上石黒

   ナナカマド葉裏

撮影日2005.7.5上石黒

    ナナカマド枝と幹

撮影日2005.7.5上石黒

     葉の縁の重鋸歯
写真2005.7.5嶺坂