アカゲラ 
   
 
暮らしとの関わり

柏崎の山野で年中見ることができる。勿論、石黒でも見ることができる。山あいの集落では、秋にアオゲラが山奥から降りて来て、人家のそばで見ることができるようになる。海岸部でも同じようにアオゲラが山からやって来る。このようにアオゲラの方が人々に親しまれているが、よく見ると山あいの集落にはアカゲラも来る。一回り大きい青い(実際は緑色)アオゲラと、赤とはいいながら白黒モノトーンの多いアカゲラなので、前者の方が目立ったのかもしれない。

 似たような声で啼くので、鳴き声による識別は難しい。鳴き声で判断して、双眼鏡の視界に入ったら逆だったということが正直あった。秋から冬の柏崎の山野はそこで冬越しする鳥も少なく、鳥の声も少ない。時おり聞こえてくる、アカゲラの鳴き声にホッとすることも多い。

 写真は、全部鯖石川改修記念公園を流れる鯖石川の堤の内側にある葉の落ちた広葉樹の林で撮ったものだ。この林での冬の1日に、1羽のアカゲラと、アオゲラについて行く1羽、さらに雌雄で行動する2羽を見たことがある。雌雄の2羽は春の繁殖に備えてペアを形成したものだろう。最初の1羽は、相手を探している最中だったのかもしれない。しかし、アオゲラについて行った1羽は何だったのだろうか。大きいアオゲラと一緒に行動して、安全をアオゲラにゆだねていたのかもしれないが、よく分からない。アオゲラは、ついて来たアカゲラを気にかける素振りはなかった。

 少し大きいオオアカゲラも石黒のある黒姫山には生息している。オオアカゲラの方が数が少ないと思うが、実際はどうか分からない。識別点は、オオアカゲラの方がクチバシが長く見えることと、止まった時の翼の下に見える両胸の縦斑である。大きさでは、なかなか分からないと思う。(長谷川)
 一昨年までオオアカゲラを「アカゲラ」で掲載していたところ、野鳥研究者の長谷川さんに指導をいただき、今、頁を改めて作ったところである。石黒の生家跡の山小屋の周りでよく見かけるのはオオアカゲラのようだ。鳴き声ばかりか姿かたちも自分には未だ区別がつかない。

写真 上-♀ 2017.1.1  長谷川

※資料-アカゲラのドラミング-2
 ※資料-アカゲラのドラミング-1



解 説
キツツキ科
 日本では、北海道、本州、佐渡、対馬で繁殖。主に落葉広葉林に生息し、枯れ木などの幹に穴をあけて巣をつくる。
 全長23cm、翼開帳38〜44cmで、中型のキツツキ。体は黒、白、赤の三色で、右写真のように背は黒、肩羽先端が白。腹部や尾羽基部の下側は赤。翼の色は黒く中雨覆や大雨覆には白い斑点が入る。目の色は赤で嘴は黒くやや短い。足の色も黒。雄の成鳥は後頭が赤いことが名前の由来となっている。雌の成鳥は後頭が黒い。
 餌は雑食で木の幹に巣くう昆虫衣類の成虫や幼虫を食べるが木の実なども食べる。ヒナには主に蛾類の幼虫である青虫を与えている。鳴き声は、「キョッ、キョッ。」と聞こえる。ドラミングは石黒ではその時期には毎日のように聞こえ、子どもの頃から親しんだ音である。
 鳴き声はオオアカゲラと似て「キョ、キョ。」と聞こえる。



      アカゲラ ♂

写真上-♀ 2017.1.1 長谷川