アカソ
暮らしとの関わり
 石黒では「オロ」と呼んだ。
 アカソは、昔からカラムシヤブマオなどと共に衣服の材料として重要な植物であった。縄文時代から木綿等が普及するまで長い間、日本各地で栽培された植物で、それらが野生化して今も自生しているものと思われる
 石黒の方言名「オロ」の語源は「呂-おろ」(緒→苧・麻)にあるのかも知れない。日本国語大辞典によれば、「緒・苧」の項目の書き出しに「お(緒)と関係ある語か」記されている。また、「緒呂」は「緒」に同じ、は接尾語」との解説も見られる)。
 石黒では、昔から村のいたる所に自生していていたが、飼いウサギは好んで食べなかった。毎日の餌とりが仕事であった子どもたちには、いかにもウサギが好みそうに見えたので不思議に思われたことを憶えている。
 また、アカソは、一見カラムシに比べると根は弱々しく想われるが引き抜こうとすると、木質の根の部分が強靱であり大人の手にも負えなかった。一方、頑丈そうに見えるカラムシは意外と容易に引き抜くことが出来た。
 昨日(2015.9.21)、石黒と隣接している上越市の藤尾集落の筆者の姉の屋敷跡を訪れると林の縁にアカソの群生が数カ所見られた。今後も石黒地区を含めてこうした過疎化による廃屋が増えるであろうが、アカソは、そこで、これからも逞しく千年を越えて生き続けるに違いない。

(写真上・右上2005.8.18中後 右下2005.9.2下石黒)


           若葉の開く頃

 写真2016.4.20下石黒

           アカソの群生
撮影2005.7.3落合

写真2015.9.21上越市藤尾

          アカソの根

撮影2009.5.30寄合

    赤味を帯びた雌花の集団

撮影2009.6.27寄合

           木質の根茎

撮影2010.7.18下石黒
 
解 説
イラクサ科
 北海道から九州の山地のやや湿ったところに普通に見られる多年草。特に日本海側に多い。
 根茎は木質で堅い(写真左下)
 茎は高さ60〜80p。茎と葉柄が赤味を帯び毛は少ない(下写真)
 葉は、円形で3主脈があり深く3裂し縁に粗い切れ込みがある。長さ8〜15p〔上写真〕
 花期は7〜9月。雌雄同株で、花は穂状で雄花は茎の下方に雌花は茎の上方につく(上写真)。雄花には花被4個と雄しべ4個がある。雌花は2個の花被は合着して子房を包み込む赤味を帯びる〔下写真〕
 有性生殖を行う2倍体無融合生殖を行う3倍体があり、前者は秋田から京都北部にかけての日本海側の多雪地帯にのみ分布するとのこと。
 そう果は全面に微毛があり長さ1.5o。扇平で狭いがある〔下写真〕
 名前の由来は茎や葉柄が赤いことによる→赤麻
   

 
翌年まで残る木質化した基部

写真2009.4.8 記録的小雪

   若葉のころの様子

写真 2010.6.18下石黒

 花期-雌花〔上〕と雄花〔下〕
2005.9.2下石黒

     茎と葉の柄

撮影2005.8.24下石黒

      雄花と雌花


撮影2007.9.4下石黒

   翼をもったそう果

撮影2009.10.4 寄合