アゼヌリグワ(ヒラグワ)      
 
 
 石黒では「ヒラグワ」とか「アゼヌリグワ」などと呼ばれた。いわゆる木製の台(風呂)に刃と柄をつけた風呂鍬(ふろぐわ)である。刃を除いた部分のことを石黒ではカガラ(鍬がら)と呼んだ。当時は刃とは別個に購入して自分で刃を取り付けた。
 石黒で田堀鍬〔たーほりぐわ〕といわれた鍬も風呂鍬の大型のものであった。
 昔は、この鍬が主流であり金鍬(金風呂鍬−きんぶろがわ)は少なかった。 
 畔ぬり
にはこのヘッダグワが使われたが、刃が長いために土を押し当てたりこすったりするには適した作りであった。
 筆者が子どもの頃(1940代)には、まだヘッタグワの方が主流であった。しかし、子どもには刃床部(風呂と刃)が40p以上あったので使いにくかった。
 筆者は青年のころにヘッタグワを使って畔塗りをした経験はあるが稲株を掘り起こして畔につけ平らにする作業にはヘッタグワが適していることが実感できた。
(指導−矢沢清吉)
補説→ヘッタ鍬について