本文 №17   意訳文 (茶色文字下解説参照)  読み下し文
 
このようにその道々を弁え知って、みだりに山林の竹木を切らず、他人の地をかすめ取らず、穏田(おんでん)を行わず、正直第一の人々は、ついには子孫永く富貴繁盛(ふうきはんじょう)の家門をなして平生(へいぜい)神仏の冥慮に叶うこと疑いないことである。
したがって前記のとおりである。
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かくのごとく其の道々を弁え知り。みだりに山林の竹木を伐らず、人の地を掠めず、穏田(おんでん)を致さず、正直第一の輩(ともがら)は終に子孫長く富貴繁盛(ふうきはんじょう)の家門を成し、平生(へいぜい)仏神の冥利に叶うこと疑いあるべからず。
仍て(よって)、件(くだん)の如し(ごとし)。
 用語解説
穏田→中世・近世に、国家や領主に隠して租税を納めない田地のこと=かくしだ

輩-ともがら→人々

家門→
家柄
冥利-みょうり→神仏が知らず知らずのうちに与える恩恵
冥慮→人の目に見えない神仏の心

仍て件の如し→
古文書の主に書状、証書などに多く見られる文書の書き止めの文言で、「したがって前記のとおりである」ほどの意味。