アオギリ
暮らしとの関わり
 石黒では出会ったことはなかったが、今日(2016.10.20)、寄合集落の屋号「松衛門」の庭に幹の径30p余の木があることを知り右下に掲載した。
 市街地では、公園や庭に植栽されたものが所々で見られる。
 上の写真は赤坂山公園縁で撮ったアオギリである。高さは10mほどの中木であるが、下枝がなく葉の細かな観察ができなかった。
 また、今夏は開花期の観察の機会に恵まれず花の接写も出来なかった。来年は是非観察したい。
 WEB上の情報によれば種子は古くは食用とされ太平洋戦争中は炒ってコーヒー豆の代用にした伝えられる。
 今朝(2016.9.3)、朝食前、柏崎港まで自転車で行く途中、八坂神社の境内で果実(袋果)が見事に開いて種子が見えるアオギリと出会った。幸い、目線の位置まで果実が垂れ下がっていたのでつぶさに観察出来た。その他、古木になると幹の色が灰褐色になることも分かった。
 来年は、是非、花と裂果前の果実を観察したものだ。(左掲載写真)
 「アオギリ」といえば、太平洋戦争で原爆が投下された広島で、爆心地の近くで熱線と衝撃をまともに受けて幹の半分を焼かれながらも翌年に新芽を出し現在も成長を続けている木として有名だ。石黒では、昔から「屋敷内に植えられたキリは防火のために役立つ」と言われてきたがアオギリも防火性の高い木であるのかもしれない。

写真2015.8.1緑町


                  花期


写真 2016.7.10 比角

               裂開した袋果




写真2015.9.5八坂神社境内

写真2015.9.17常盤高校校庭
              冬の様子

写真2016.12.19 市街地
解 説 
アオギリ科
 植栽樹で庭や公園によく植えられている。
 樹皮は緑色を帯びるが古木になると灰褐色となる(写真)。
 高さは15〜20mで樹皮は緑色でなめらかである。
 葉は互生し大きく長い葉柄があり枝先に集まってつく。形は掌状で3〜5裂し浅い切れ込みとなり裂片の先は尖るり裏面には毛が生えている。
 花期は6月〜7月で、枝先に大型の円錐花序をつけ多数の細かい花をつける。一つの花序の中に雄花と雌花が混じる。ガク片は5個で細長い楕円形で平らに開く。
 花弁はなく雄しべは花糸が合着して1個の筒となり先端にヤク(葯)をつける。雌しべは雄しべの柱の上部に付き柱頭が広がっている。
 果実は5個の分果で放射状に分かれて分果(心皮)は舟状となり、その縁に1〜5個の球形の種子をつける。。
 果実の散布は、私の観察の限りでは裂開した分果をつけた枝ごと落下していることが多い。果たしてどのような戦略に依るものであろうか。興味ある点である。舟形の分果が風によりで種子を運ぶと想われるのだが・・・・。
 名前の由来は葉がキリに似ていて樹皮が青いことによる。



       アオギリ
写真2016.10.20寄合 
松衛門庭

        樹皮

     古木の樹皮

写真2015.9.5八坂町

     花から果実へ
写真2015.8.1緑町

  裂果前の様子(5本の鞘状)

写真2017.8.12八坂町

    種子のつき方1

写真2015.9.5西港町

   種子のつき方-2

写真2015.9.17比角

      冬の梢の様子

写真 2016.12.19 市街地