トリアシショウマ
暮らしとの関わり
 石黒では「トリアシ」と呼んだ。
 雪消えとともに鶏の足を想わせる芽を出す。石黒では10pほどに伸びたものを採ってきて、お汁の具にして食べた。子どもにも簡単に判別できる山菜の一つで山遊びに行くとよく採って帰ったものだ。ヤマブキショウマの若芽も区別しないで採ったものであろう。主に味噌汁の具にしたが癖がない食感であったように記憶する。
 近頃は、山菜の種類が増えたせいか、トリアシショウマは山菜としては、あまり話題に上らない。
 生長すると1mにも達するものもあり、子どもの頃は全く別種の草であると思っていたほどだ。
 子どもの頃、夏に谷筋(松沢川沿い)の山道で出会った純白のトリアシショウマの花が、甘い香りを発していたことを思い出す。年齢とともに嗅覚も衰えるものか、このところ久しくトリアシショウマの花の香りに出会わない。→写真
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上写真2005.7.15上石黒−国道353トンネル入り口直前の道路が写真右下に見られる− 右上2005.4.28上石黒 右下2005.8.27上石黒)


         春のトリアシショウマ

写真2006.5.11 下石黒 
背景城山

 スギの株に抱かれたトリアシショウマ(下はオオバギボウシ)

写真207.5.6下石黒

             花期前の様子

写真2011.5.23 上石黒

     花期のトリアシショウマの草姿

写真2006.7.9 上石黒

写真2009.5.8 下石黒

  先端が2つに分かれるさく果 

写真2009.9.14 上石黒
       種子 右下はさく果

写真2009.11.24 下石黒
解 説
ユキノシタ科
 中部以北から北海道の山野に自生する多年草。山裾の半日影によく生える。太い根茎がある。(写真下)
 根茎は塊状で直立する〔下写真〕
 茎は高さは40〜100p。
 葉は2回3出複葉で小葉の先は尾状に尖り縁には粗い鋸歯がある〔左下写真〕。長さは5〜12pで幅は4〜10p。
 花期は7〜8月。直立した花茎の上部に大形の円錐花序をつける。花序には短毛が密生し下部の分枝はふつう長く花柄は短い。ガクは5裂し、5個の花弁は白色でへら状さじ形である。雄しべは10個、ガク片より長く花糸は白色〔下写真〕
 さく果は長さ3〜4oで先端が2つに分かれる。
 地方変異が多い植物であるといわれる。
 名前の由来は茎が三つに分れ、特に若芽の形が鳥の足に似ていることによる。



      葉の表裏

写真2009.6.28 寄合

  トリアシショウマのつぼみ

写真2007.6.12 上石黒

     花序の毛と花冠

写真2005.7.5 6.20 下石黒

        果実期

写真201110.11 落合

  トリアシショウマの果実

写真2005.8.31 上石黒


   トリアシショウマの根


写真2009.5.12 下石黒