スミレサイシン
暮らしとの関わり
 石黒で早春にオオバキスミレと同時に花を開くのがスミレサイシンである。
 花は、スミレの中では最も大きく見ごたえがあるが、この時季にはカタクリキクザキイチリンソウなどの大型の花が咲くのでどうしても見劣りがする。
 しかし、スミレサイシンのあの透明感のある淡い青紫に濃紺の筋が入った花は美しい。また、花の色や形の変化も多様で面白い。〔右下写真〕
 また、時には驚くほどに大きな葉をつけたスミレサイシンに出会うことがある。(下写真)

写真2005.5.8下石黒 



      スミレサイシンの葉の大きさ

写真2009.4.30小岩峠

                花の色


写真2010.4.30下石黒

               群生


写真2005.5.8下石黒 

        粗大で節のある根茎

写真2009.10.16下石黒

         葉の裏表

写真2009.10.16下石黒

解 説
スミレ科
 北海道西南部から本州の日本海側の山地の湿った日陰に生える多年草
 オオバキスミレとともに日本海側分布の代表的なスミレ。
 地下茎は粗大で分枝し横に伸びて節が多く、株のつけ根には褐色の古い托葉鱗片状についている〔下写真〕
 葉は長い柄があり数枚株立ちし根元には膜質の托葉がある。葉の長さは15〜20pと大きく縁には鋸歯があり毛はほとんどなく、花よりやや遅れて開く。 
 花は4〜5月、透明感のある淡い青紫色で径1〜1.5pの大輪。側弁には毛はない。花弁〔唇片〕に紫色の筋がはいりは短く大きい袋状〔下写真〕。花が咲く頃は葉は未だ完全には開かず細長く丸まっていることが多い。
 名前の由来は葉がサイシンに似ていることによる。



       ノリと側弁
写真2009.4.30小岩峠

      古い托葉

写真2008.10.18下石黒

     花の色々