子供の頃の薬草の思い出

大橋洋子

 石黒にまだ診療所がなかった(昭和30年代初期)の子供の頃は、軽い擦り傷や切り傷、体調不良などは身近にある薬草を使用しました。代表的なのが「センンブリ」や「ドクダミ」でした。

センブリは何処にでもある植物ではなかったので、貴重な薬草だったように思います。我が家では、地名がマンゾウと言う所に田畑の作場があり、田んぼの土手にはセンブリがよく生えていました。花は子供心にきれいだと思って見ました。胃弱の母は花の咲く時期になると必ず採取して乾燥させてから保存をしておいて、時々煎じ薬として飲んでいました。祖父も飲むので試しに私も飲んでみたら、その苦さと言ったら、あの苦さは今も忘れません。

ドクダミは身の周りで容易に採取できる、最も身近な薬草でした。ちょっとした切り傷や擦り傷には生の葉を手で揉んで傷口に貼り付けました。
 又、切り傷の化膿や吹き出物や腫れものなど、熱や膿みを持った時は、ドクダミの葉っぱをフキの葉で包んでカヤの葉でしばって(結わえて)じろ(囲炉裏)で熱い灰の中に埋めてドロドロに柔らかくしたものを塗り薬として使い、医者にはめったに行きませんでした。

他にも同じような効能で、「ベッコの葉」(アオキ?)という葉っぱがあり、主に化膿した時の膿みだし薬で「すいだしこう」とも言っていました。

実際に指の傷が化膿した時に、近所(古屋敷‐屋号)の庭先にある「ベッコの葉」(アオキ?)を貰ってきて、患部に当たる部分に小さな穴をあけた葉っぱを地炉で焦がさないように炙って柔らかくした葉を吸い出し膏として使ったのを懐かしく思いだします。

 ちなみに学校の夏休みも子供達には「薬草採取」という課題があって、ヨモギ、ドクダミ、ゲンノショウコなどを採っては乾燥させて学校に提出しました。
   (福島県在住)