ヨモギ
暮らしとの関わり
 ヨモギは、昔からよく利用されてきた植物である。
 春に若葉を摘んで茹でて乾かして冬期、草餅に入れて食べたり、夏に大きく成長した開花前のものを採って天日に乾かして薬草として売った。
 昭和20〜30代の子どもたちの夏休みの課題はヨモギなどの薬草採取であった。
 また、子どもの頃、遊んでいてカヤなど手を切ったりしたときには傷口にヨモギの葉を揉んでつけたものだ。
 また、月遅れの6月の節句には、菖蒲とヨモギを束ねたものを風呂に入れて子どもたちの健やかなる成長を祈願する慣習があった。(年中行事)
 その他、成長した葉を採り、天日で十分に乾燥したものをよく揉んでその繊維を集めてお灸の時に火をつけるモグサとした。モグサはヨモギの異名でもあるという。

(写真上2004.6.21板畑 右上2005.9.2板畑 右下2005.9.20板畑)


     ヨモギ干し〔草餅用〕

        写真2008.5.16下石黒

  ヨモギのヨモギクキマルズイフシ虫えい

 8月中旬から出現し、虫えい内で繭を作って越冬する。詳細は不明 〔写真−2007.9.6大野〕

  葉を巻いて白い葉裏で直射日光から身を守るヨモギ

写真2013.8.4裏海岸

             海岸のヨモギ

写真2013.7.20裏海岸

             市街地のヨモギ

写真2013.7.5春日

       前年の茎から芽を出したヨモギ

写真2010.3.30畔屋

                冬の様子

写真2011.12.10 板畑 嶽

解 説
キク科
 本州から沖縄までどこにでも普通に見られる多年草
 草丈は50〜100p、よく枝分かれし、群生する。葉はキクの葉に似ていて裏面には白毛がある。
葉柄の基部に仮托葉がある(下写真)。(オオヨモギには仮托葉はない)
 花期は8〜9月、黄白色の小花をたくさんつける→参考画像−花期のヨモギ
 草全体に香気があり昔から邪気を払い長寿をもたらす草と信じられ、薬草としても親しまれてきた。
 名前の由来は定かではないが「善燃草」、善く燃える草の意味だという説がある。



       仮托葉

写真2011.8.28落合

     ヨモギの花

写真2005.9.26落合

       種子
写真2005.10.2採取下石黒

     ヨモギの紅葉

ヨモギも環境によってはこのように紅葉するのが見られる。
〔2007.11.14寄合〕

 ヨモギシロケタマバエの虫えい

写真2013.7.5笠島