西洋ワサビ | |
![]() |
![]() ![]() |
暮らしとの関わり 石黒では、西洋ワサビを「ウマワサビ」と呼び畑の端に植えておいて主に刺身やソバ等の薬味として使った。とはいえ昭和の半ばまでは石黒では海魚の刺身など結婚式でもないと膳に載らなかった。石黒で刺身といえば鯉の刺身かアライくらいなものであった。 筆者が中学生のころ(1952年ころ)農協の「稲田養鯉」の勧めもあり、我が家では2年ほど田植え後の水田(約10a)に食用鯉(ドイツ鯉)の稚魚を放し秋の稲刈り時に捕獲しミンジョ(台所)の生け簀の中に入れておいて冬期に食べた。主に鯉こくのように煮て食べたが大きなものは希に刺身やアライにしてもらって食べることもあった。その時の薬味にこの西洋カラシをおろし金ですりおろして使った。西洋ワサビの根も台所の生け簀の近くに水につけてあったように記憶する。 本サイトのどこかに掲載してあり重複するかも分からないが、我が家では農協から一年目には100匹注文して稚魚を田に放したのであるが、秋の稲刈り時にはばらつきはあったが大きいものは20pを越えたものも多くいたことを憶えている。その上、1年目の秋に捕獲した数が注文の100匹より4〜5匹多かったことを今も忘れない。餌をくれることもなくこれだけ成長したことは今にして思うと驚きだ。当時は殺虫剤BHCが農薬として使われる直前であり餌となる昆虫が豊富であったのであろう。その上、現在のようにアオサギやチュウサギが現れる前であったことも見逃せない。とはいえイタチは生息していたのだが、幸いなことに彼らに見つけられなかったのに違いない。 記述が主題からそれたが、子どもにとって、西洋ワサビは家の近くに植えられていて見慣れた植物であったが、辛い薬味など好まなかった子どもにとって親しみのない存在であった。そのうえ、「馬わさび」という呼び名は「馬のすっかし−ギシギシ」を連想し姿もよく似ているために無意識のうちに敬遠したのようにも想われる。 写真 2007.5.26 下石黒 葉の出るころの様子 ![]() 写真 2021.3.12 松美町 花序の様子 ![]() |
解 説 アブラナ科 外来植物でヨーロッパ原産の多年性植物。日本には明治初年に伝来する。 茎は直立し高さ60〜130p。 根生葉は束生して長い柄があり長い柄があり葉の縁には鋸歯がある。形は卵形の長楕円形でギシギシの葉に似ていて長さは20〜50p。茎葉は上部のものは披針形で下部のものは羽状に深裂する。 花期は5〜6月、上方の葉の葉腋より白い総状花をつける。種子が出来にくく、主に根で増殖する。 北海道から中部地方にかけて逸出して自生しているものも見られる。 現在の主たる生産地である北海道では「ヤマワサビ」と呼ばれているとのこと。 根生葉 ![]() 5月の頃の様子 ![]()
|