サラシナショウマ
暮らしとの関わり
 サラシナショウマは、石黒では普通に見られる植物である。
 若芽は山菜として食べられるといわれるが、石黒では食べる習慣は伝わっていない。
 昔から、稲刈りの頃に林の縁などに咲いているブラシ状の白い花を見て初めてその存在に気づくという草の一つであった。
 中学生の頃に秋の山仕事の最中に激しい雨に降られ逃げ込んだ杉林の薄暗い林床に、たくさんのサラシナショウマの花が咲いていたことを憶えている。
 昨日(2011.10.10)石黒の庭で観察するに、ヒョウモン蝶とスズメバチが訪花して吸蜜している。スズメバチはヒョウモン蝶に対しては、ほとんど敵対しないが同種のハチが寄ってくると攻撃する。この日は格闘となりひとかたまりとなって落下ししばらくは離れなかった。→参考画像
 今日(2012.10.19)、杉林の中の薄暗い中で木漏れ日を受けて輝くように咲いているサラシナショウマの花にしばらく見とれた。サラシナショウマの花は、こうした林床や林縁の日陰がよく似合うと思う。→写真

(上写真2005.10.7落合 右上2005.4.28下石黒 右下2004.12.2下石黒)


                  新芽

写真2010.5.5下石黒

         サラシなショウマの根出葉

写真2006.4.23上石黒

            晩春のサラシナショウマ

写真2006.5.13下石黒

サヤ状の葉柄つけ根 
   
   写真2014.11.7下石黒

          つぼみ期のサラシナショウマ

写真2013.9.15下石黒

             
サラシナショウマの小群生

写真2005.10.7落合川向かい

             訪花するヒョウモン蝶

写真2011.10.10下石黒

            葉の形(2回3出複葉)

写真2011.7.12下石黒

           
花のつくり

写真2005.10.3下石黒

           庭に生えたサラシナショウマ

写真2012.10.18下石黒

                    果穂



解 説
キンポウゲ科
 北海道から九州の山地に自生する多年草
 根茎は肥大していて乾かして薬用にされる。
 茎は直立して円柱形で40〜100pで緑色。上部には細い白毛が生える。
 根元から春に茎より早く根生葉が出る。(左下写真)
 茎の葉は互生し長い柄があり、2〜3回3出複葉で(左下写真)柄の付け根は短いサヤ状(下写真)。小葉の長さは3〜8p。しばしば3裂し先は尖り不揃いな欠刻状鋸歯があり両面に細い毛がある〔左写真〕
 花は8〜10月に茎の頂上に花柄を伸ばし白い小花をモール状につける。花は下から順に咲く。花には両性花と雄花がある。
 ガク片は楕円形で長さ4oほど。外面には短い毛があり早々落下する。雄しべは多数で先がすこし広がる〔左下写真〕。雌しべは2個。子房には短柄があり細く多少毛がある。
 袋果には長い柄があり楕円形で長さ1p。上端にはかぎ状に曲がった短い花柱があり果の表面には微毛がある。
 種子は長さ2mmほどで薄い翼がある
 名前の由来は、春先に若葉を茹でて水にさらして食べたことによる。



       芽ばえ
写真2010.5.5下石黒

   鞘状の葉柄の基部

写真2008.5.3上石黒

       若芽

写真2010.5.15落合

  サヤになる葉柄のつけ根

写真2011.7.12下石黒

        つぼみ
写真2011.7.12下石黒
写真2012.7.9下石黒

 仲良く給蜜するハチとチョウ

写真2011.10.10下石黒

     花期から果実期へ

写真2012.10.19下石黒    


写真2008.11.5下石黒  
 
       袋果と種子      
写真2014.11.7下石黒

     種子拡大写真 写真2010.12.4

         根茎
写真2009.10.15寄合