オシダ
暮らしとの関わり
 オシダを石黒では「オニゼンメェ」と呼んだ。石黒では、雑木林の斜面などに多く、スギ林の中でもしばしば出会う。
 6月頃になると、大きく輪状に葉を広げた姿は美しさと迫力があり、シダ類の王者の風格をもつ。
 古老の話では昔飢饉のときにはこのオシダをゼンマイのように乾燥して食べたものだという。

写真上 2009.4.27 寄合 


       若葉を広げたオシダ

写真 2009.4.30 小岩峠
          オシダの群生

写真 2009.4.30 小岩峠
           広葉林床のオシダ

           杉林床のオシダ

写真 2009.5.9 下石黒

        葉身の半ば上につく胞子嚢 写真2

写真 2011.8.17 下石黒

               秋の様子

2013.10.23下石黒


解 説
オシダ科
 北海道から四国に分布する夏緑性の大型のシダ。ブナ林の谷筋などに多い。
 根茎は短く太い。
 茎は直立して葉を10枚前後輪状束生して斜めに広げる。
 葉は柄があり長さは1〜1.5m。
 葉柄は太く短く下部には黄褐色から黒褐色の鱗片を密生する(上写真)
 葉身2回羽状に深裂し長さ50〜120p、幅15〜25p。表面は緑色だが下面は緑白色。羽片は無柄で軸にたいしてほぼ直角に出る。幅15〜30o。葉脈は表面で凹んで溝をつくる。
 胞子のう群は葉身の半ば上中脈に沿って2列にならんでつく。形は丸い腎臓形(下写真)
 名前の由来は雄壮な姿を雌雄の雄にたとえたもの。



        若芽

写真2009.5.13落合

    枯れた古葉と若葉
写真 2009.4.27 寄合

     株全体の姿

写真 2009.4.27 寄合

葉身の半ば上につく胞子写真1

写真 2011.8.17 下石黒

     腎臓形の胞子

写真 2011.8.17 下石黒