モミジガサ
暮らしとの関わり
 モミジガサが、自生している場所は、石黒ではごく限られている。現在のところ、寄合集落と城山の沢筋(落合から寄合の旧道付近)にそれぞれ一個所見かけたのみである。
 今日(2009.4.27)下石黒のホウノキヤマ〔地名〕で一株のモミジガサに出会った(下写真)。それにしても、ここにはこの一株だけで、その周囲を約1km範囲にわたって調べたが出会うことが出来なかったのは意外であった。
 生育環境から言えば石黒は沢筋斜面などモミジガサが好む所が多いように思われるが何故か希にしか見られない。 
 ただ、本来、モミジガサが林を好むとしたら、石黒はブナなどの広葉樹林が圧倒的に多いので、そのせいであるかも知れない。それにしても、今まで、杉林の中で出会ったことがないのはどうしたことであろう。
 柏崎市街地周辺でも私が見た限り、稀に見られる植物のようだ。
 今(2020.4.29)、この文章を書いている最中にFMピッカラで春日さんが「荻之島だより」でモミジカサを話題にされたので「めったにないタイミング」とうれしく思った。春日さんの話では、山菜として美味であるとのことだが、石黒では山菜としての言い伝えはない。出来れば一度食して見たいと思っている。

(写真上2011.8.18寄合  右上2005.4.30寄合 右下2005.8.20寄合  政栄)

         ホウノキヤマのモミジガサ


写真2009.4.27下石黒-ホウノキ山オセシミズ地内

           モミジガサの群生

写真2009.5.19 寄合から落合への旧道付近

               花冠  

写真2011.8.18 寄合 政栄

            果実期へ

  写真写真2013.10.29 小清水

           成熟期の葉と茎
写真写真2013.10.29 小清水

解 説
キク科
 北海道から九州に分布。日本固有種。谷沿いの湿った斜面や林の下などによく見られる多年草(分離型地中植物)。
 高さ約1m。若芽の茎は暗紫褐色をおびて時には緑色のものもある。(下写真)
 葉は互生し長い柄がありモミジの葉のように中裂し長さ10〜15p。表面は無毛でやや光沢がある。上部には短いちぢれ毛がある。裏面は、やや白色を帯びる。(下写真)
 花期は8〜9月。総包片は5個で淡緑色で筒状で長さ8〜9o。1頭花に5個ある管状花は白色で時にやや紅紫色を帯び長さは約9o。
 そう果は長さ5oほどで冠毛は白色で長い。若苗は山菜となる。
 名前の由来は葉がモミジ(カエデ)に似て葉が傘状であることによる。



     上部の葉の毛
写真2009.4.27下石黒
若芽のころはヤマトリカブトと似ているために山菜として誤食される例もあると聞くが、ヤマトリカブトの若葉には上記のような毛は見られない。
参考画像 猛毒−トリカブト

写真2005.5.5下石黒

   茎と葉柄の付け根

写真2009.4.27下石黒

モミジガサの茎と葉の互生

写真2009.4.27下石黒


     頭花拡大2

写真2011.8.18 寄合 政栄

      そう果へ
写真2013.10.29 小清水

    葉の表裏(下が表)



写真2013.10.29 小清水