キュウリグサ | |
暮らしとの関わり 今のところ、石黒では、しばしば見かける植物と言うほかない。というのは筆者の関心が薄かったせいで、進んで向き合わずハナイバナと区別せずに眺めていたからである。一方、同じ仲間であるミズタビラコは花序に特徴があり関心を持ち数年前に掲載したが、ハナイバナとキュウリグサはそんなわけで今日まで頁を作らないまま過ごしてきた。 野草の魅力は、その花序、花冠に左右されるといってよいと思うが、キュウリグサやハナイバナは花があまりにも小さく、ぐっと目を近づけて見ないとその美しさは分からない。しかし、よくよく見れば早春のキュウリグサの花は春を待つ者にとっては、その淡いブルーの色合いが美しく忘れがたい。 ただ、葉をもむと発するというキュウリの香りは、筆者には認識できなかった。年とともに嗅覚が衰えたためかも知れない。皆様はいかがでしょうか。 (写真2012.5.14 下石黒) 草姿 写真 2013.5.24 上石黒 副花冠 写真 2013.5.24 上石黒 果実期の頃 写真 2013.6.3 上石黒 |
解 説 ムラサキ科 日本全土に分布し、道端や庭や畑などで見られる越年草。ロゼット状で越冬する。史前帰化植物の一種。 高さは15~30㎝。 葉は互生し根生葉は1~3㎝ほどで卵円形、基部が細くなり柄となる。花期には枯れる。茎葉は葉柄は短く無柄のものもある。茎や葉に白い軟毛が見られる。(上写真) 花期は3~5月。茎の先に先端が巻くサソリ形花序をつける。花が咲き上がるに従い巻いた花序はまっすくになる。花の直径は2~3mm。ガク片は5個、花は淡青色で深く5裂する。各花片の基部に黄色い突出部が1個ずつあり、全体で丸い副花冠を形成する。(右下写真)ハナイバナに酷似する。分果は四面体形。 名前は、葉を揉むとキュウリの香りがすることによる。別名-タビラコ→春の七草のホトケノザも一名タビラコと呼ばれていたため混乱を避けるためにキュウリクサと改名されたといわれている。 花期の草姿(根生葉は喪失) 写真 2008.5.19 下石黒 茎と葉に生える軟毛 写真 2013.6.3上石黒 根の様子 写真 2013.6.3上石黒 |