ニホンアマガエル
暮らしとの関わり
 昔から伝えられた石黒の俗信に、「雨蛙が鳴くと雨が降る」という言葉があるが筆者の今までの経験では大抵は的中したように記憶する。雨は降らないにしても天気が下り坂で雨模様となること確かであった。
 鳴いている時の蛙〔雄〕の喉が大きく膨らむ様子を見て、敗戦直後、ガムなど手に入らず松の脂を代用にかんでいた子ども達は風船ガムを連想した。体の割には鳴き声も大きかったのはこの鳴嚢〔めいのう〕の効果であろう。→子どもの暮らし
 石黒の長い冬が終わり、ブナの緑色に芽吹く頃になると、夕方から賑やか蛙の合唱が始まる。まさに村中が蛙の鳴き声に包まれる。村人にとって忙しい農作業が始まるころであるが、丈余の雪と格闘した冬が夢のように思われ、ここに生きていることの幸せを感じるひとときであった。
 その他、中学生のころ、夏の生家の裏口のガラス窓に多くの蛾がよってきたが数匹の雨蛙が指の先の吸盤を働かせて張り付いていて近くに来た蛾を2、3歩近づいてはパクリと食べる様を観察したことがある。
 また、ニホンアマガエルは、小形で可愛らあり、よく手づかみで捕まえた。捕まえられると必ず尿をする習性があった。
 ところで、この可愛いカエルの皮膚の粘膜には毒があり人体の傷や目に入ると激しい痛みを感じ、特には失明することもあることは、正直のところ今にして知って驚いている〔ウィキペディアフリー百科事典〕。 
 昨日〔2012/04/25〕の新潟日報に「青色のカエル見っけ」という見出しで青色のアマガエルについての記事があった。記事には「典型的な突然変異。色素の一つに異常があり、希ににある」との専門家のコメントがある。筆者も2007年に左下写真の青色のカエルを撮影〔2007.9.27下石黒〕したが、今、画像を見る限り鼻筋から目にかけての褐色の帯がないことからシュレーゲルアオガエルであろうかと思っている。



写真2006.6.下石黒  右上2012.4.20松美町


       ニホンアマガエル幼体〔体長15oほど〕
写真2011.6.28下石黒

イタドリの切り口にチョコンとおさまっていました
写真 2012.10.8下石黒 春夫さんより

 
解 説
アマガエル科
 全国いたる所で見られるカエル。
 水辺の植物の上や森林に生息する。前足に4本、後ろ足に5本の吸盤のついた指があり枝から枝に飛び移ることができる。
 体長は2,5〜4pほどで雌の方が雄より大きい。鼻筋から目から耳にかけて褐色の太い帯が通っている。背の色は緑色だが灰色のまだら模様の色に変えることもできる。
 この色の変化は温度、湿度、明るさなどの環境の変化による。また、色素細胞の変異により青や黄色の個体も希に見られ
 主に、小さな昆虫類やクモ類を捕食する。死体など動かないものは食べない。
 5〜6月頃に水田や小川の草の根などに1〜15個くらいずつ、何度にも分けて卵を産む。合計250〜500個ほど産む。
 産卵時はは雄が雌の背に抱きついたような状態で産卵と放精が行われる。卵はひも状の寒天質2包まれていて産卵後は水面を漂い植物などに絡まる。卵は2〜3日で孵化する。
 ニホンアマガエルのオタマジャクシは茶色で薄いまだら紋様があるのが特徴である。
 夜は人家などの照明に集まりよってくる昆虫を補食する。
 天敵はサギなどの鳥類や蛇などの爬虫類。その他大型のカエルにも捕食される。


    白い腹側の様子

写真2007.6.18寄合

   水田を泳ぐ様子

写真2007.5.8上石黒