畜力除草機
                            田辺雄司
 昭和30年頃、隣村の篤農家から畜力除草機というものがありこれを使うと楽に田の草取りができるという話を聞きました。隣村の篤農家の話では、馬は訓練さえすればほとんど苗を踏むことはなかったそうです。
 私の家も当時としては石黒では大百姓の方でしたし、馬も飼っていましたので早速、機械を買って、使ってみましたが馬が訓練されていないためうまくいきませんでした。
 それで兄と2人で1人がひっぱり、1人が操作してやってみましたところ、思いの外、仕事がはかどりましたので数年間使いました。1日朝早くからやると4〜5反の田の除草が出来たものでした。
 しかし、この機械を使うには田植えの苗の間隔を機械を使いやすいように植えなければなりませんでした。〔別紙資料の右図→畜力除草機の田植え枠参照〕そのため、田植えの女衆は最初は植えにくそうでしたが、慣れてしまうとそれほどでもなかったようです。