糸  車    
   
 
 糸車(糸撚り器)は綿花や繭の繊維や糸をよりあわせ糸を作る道具である。手で大きな車を回しながら糸を紡いだり撚りをかけたりした。
 大きな竹製の車の隣に、糸を巻き取る棒を取り付ける台があり、この台についた棒のことを「つむ(紡錘)」と呼んだ。車と「つむ」は、「調べ糸」と糸のベルトでつながっていて車を回すと「つむ」も回転する。車の回転力により、早く回転するつむによって綿や繭(まゆ)によりをかけられて糸となる。石黒では、昭和の初めには、ほとんど使われていなかった。  
 筆者の家にも糸車はあったが、使われる様子を見た記憶はない。初めて見たのは最近〔2009−写真上〕である。

〔写真2009.11 ゼンマイの綿から糸を紡ぐ大橋美恵子さん 下石黒〕

補説真綿糸の取り方