子どもの頃のままごとあそび

大橋洋子

当時(昭和30年代)子どもたちは学校から帰ると、夕方うす暗くなるまで神社のまわりや村の中を集団で駆けまわって遊んでいました。仲よし連れや女の子同士で遊んだ「ままごとあそび」も懐かしい思い出となっています。

ミゾソバの花(撮影2007.10.11大野)

 ミゾソバの花咲く頃になると、道端や家のまわりに咲き誇るミゾソバの、つぼみや花を根気よく摘み取って白いご飯や赤飯にして遊びました。遊ぶ材料や道具も、身の回りや自然の中から見つけて工夫して遊んだものです。縁の下に首を突っ込んで割れ物置き場から、使い古した包丁やヒビの入ったご飯茶碗などを取り出して使えば、りっぱなお客様用の器になりました。フキホウノキの葉っぱを皿代わりにしてナスやキユウリを刻んで並べ、ミゾソバの花の色分けをして茶碗に入れると、白米と赤飯が出来上がりました。
 そして、接待と客の役割が決まれば、ここからは一気に大人に変身してままごとの開演です。
 子どもは大人の日常の暮しをしっかりと観ていて、こうしたママゴトを通してもてなしの心遣いや接待の言葉使いを身に付けたのではないでしょうか。

 まるでお正月の年始客の接待を再現しているような大人の会話を真似た「おままごと」時代を懐かしく想いだします。
  
(福島県在住)