ヤダケ | |
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暮らしとの関わり ヤダケは石黒で出会ったことはない。おそらく、多雪地帯のため育たないのであろう。ヤダケだけではなく竹類は石黒ではネマガリタケの他は少ない。 昔はモウソウチクやメダケを家の近くに植えておく家もあった。メダケなどは雪害を防ぐために杉林の縁に植えて冬季には杉の木に縄で結わえておいた。 モウソウチクも数本の杉の木の間や周りに植えて雪の害を防いだ。また、若竹のうちにゆすって先端を折って落として育てる工夫も行われた。 子どもの頃には遊び道具の竹とんぼや水鉄砲、紙鉄砲、それから杉の雄花を弾にした鉄砲などを作って遊んだが、竹が少ないために材料を手に入れるために苦労した記憶がある。杉鉄砲などは細い竹を使ったが、残雪の上からメダケの枝をとって使った。杉の雄花を入れて押し出すとパチンという音とともに黄色い花粉が煙のように出るところに興味をもって遊んだことを憶えている。 ちなみに、ヤダケはササの仲間であるという。その区別点は竹の稈が長く皮につつまれていることにある。 〔写真2007.10.2 落合〕 山に自生するヤダケの先端 ![]() 写真2014.1.3畔屋 屋敷内に植えられたヤダケ ![]() 写真2012.10.13茨目 葉のつけ根 ![]() 写真2014.1.7畔屋 ![]() |
解 説 イネ科 日本各地に群落をつくり、自生状態であるが、もとは栽培されたものが野生化したものであろう。 地中を横にのびる地下茎から粗い毛の生えた皮につつまれた稈が出る。 稈は直立して高さ3〜4m。切り口は、ほぼ正円で径15〜20mmほど。節は平坦でほとんど膨らまない(下写真)節間は長く30p前後。 上部の節から1本の枝を出し、枝は更に多数の小枝に分かれる。 葉は、先の尖った細い披針形で小枝の先に3〜10枚つく。質は皮質で表面は緑色、裏面はやや白色を帯びる(上写真)。 葉の縁はざらつき葉舌は截形、葉鞘は節間とほぼ同長で白っぽい。 夏に稈の上に長い柄をもった円錐花序に花穂をつける。 中軸から小柄が出てその先に小穂がついている。小穂は、2列で10個ほどの緑色の花からなり花は中軸上に密着している。 穂は細長い披針形で尖り長さ13〜14mmほど。護頴は卵形で16〜17本の脈をもつ。内頴は護頴より短く、隆起した線が2本ある。雄しべは3〜4個ある。 名前の由来はこれで矢を作ったことによる。 ほとんど膨らまない節 ![]() 写真2014.1.3畔屋 葉の数 ![]()
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