タカノツメ


暮らしとの関わり
 石黒では希に見る木のひとつであると思われる。というは、筆者は今回、初めてタカノツメという名前を知り、その姿を知ったからである。
 その葉の形がトネリコなどと似ているために見逃してきたのかも知れない。
 その日(2011.6.9)、今年初めて城山に上った。ホトトギスがしきりに鳴き、上り尾根づたいの旧道を涼風がわたり爽快であった。頂上尾根の石黒城跡の空堀の近くで雪で折れた枝が地を這うようにして花をつけたタカノツメと出会った。
 初めて見る樹木であり興味深く観察し撮影して帰宅し、早速、「柏崎・刈羽の植物」を開いたがタカノツメの名前は見あたらなかった。「柏崎の植物」(1981発行)を開くと植物リストに名前が載っていたが解説はなかったので、「新潟県樹木図鑑」で調べて右解説の参考にした。
 10月下旬にタカノツメの果実を確認するために政栄さんと二人で城山に上った。しかし、自生していた場所を探し当てることはできなかった。
 来春(2012)には場所を確認して目印を付けて置いて果実を是非撮影したいものだ。

〔写真2011.6.9 下石黒・城山〕


              枝の様子

写真2011.6.9 城山

            花のつきかた

写真2011.6.9 城山

解 説
ウコギ科
 本州から九州までの林内に自生する落葉小高木日本特産種
 高さ3〜5m、幹は直立して枝を分ける。
 樹皮は滑らかで灰色で(上写真)材は白く柔らかい。
 葉には長さは3〜15pの長い柄があり、互生する。
 小葉は3個(左上写真)、ときには1〜2個で両端は尖り長さ5〜12p。縁には細かい毛状の鋸歯がある(下写真)。葉裏は白緑色(下写真)
 質は薄く秋には黄葉する。
 花期は5〜6月。黄緑色で径5oほど。枝先に球状に咲く(左下写真)ガク片はなく花弁は4〜5個、雄しべも4〜5個。花柱は2個で下部は合体、上部は分かれている。
 果実(核果)は径5oほどの球形で熟すと黒くなる。
 名前の由来は鷹の爪で冬芽の形による。



   小葉の形と毛状鋸歯


写真2011.6.9 城山

   灰緑色の葉の裏面

写真2011.6.9 城山