タブノキ
暮らしとの関わり
  タブノキは、石黒には自生しないが柏崎の海岸沿いの各地に小規模の林を形成している。また、社寺や人家の庭に植栽の大木が見られる。
 しかし。山育ちで、落葉広葉樹林帯に育った筆者にとってタブノキやウラジロガシ、アカガシ、スダジイなどの常緑樹の大木は何か近寄りがたい存在であった。
 本頁のタブノキにしても上の写真のような幼木と出会ったことで漸く、付き合いの契機を得たといってよい。市街地の神社や寺で大木と出会っても、親しく観察できる下枝のないものが多く、あっても同定できる予備知識もなかったために今まで取り上げずに来たような次第であった。
 だが、今春は、芽吹きの時期が来る前に柏崎の常緑広葉樹のを親しく観察をしてみたいと思う。
 ちなみに、タブノキはアオスジアゲハの幼虫の食葉であるという。
 また、東日本大震災(2011.3.11)では、その逞しい根としなやかな枝で海岸防災林でタブノキは最も強力であることが証明された。
 今日(2016.3.5)昨日に続く快晴なので、家内とともに笠島にタブノキの林を撮影に出かけた。特に寺の屋敷続きの斜面には大木の林が見られた。(下写真)
 今年は、芽吹きの頃、花期の頃、果実の頃の様子を撮影したい。とくにアオスジアゲハの産卵期に訪れ、乱舞するアオスジアゲハに出会いたいと願っている。

ビデオ資料-笠島のタブノキ林
写真2015.12.22田塚

          笠島のタブノキの林



写真2016.3.5笠島

         赤味を帯びた冬芽

写真2015.12.22田塚


解 説
クスノキ科
 主として暖地の海岸地に多い常緑の高木。日本海側の北限はは秋田県あたりで北では海岸沿いにしかみられない。
 高さ20m、雄大な枝振りで幹の太さは直径1mに達する。シイ、カシとともに照葉樹林の代表樹
 樹皮は淡褐色〜褐色で。
 葉は互生し先端に集まる傾向があり
(上写真)、長さは8~15㎝で倒卵形全縁、皮質で硬く表面には艶がある。裏面は灰白色を帯びる。
 花期は4~6月。新葉とともに黄緑色であまり目立たない花をつける。花は小さく花被は6裂し、花被片の長さは5~7mmの長楕円形。3個ずつ二重に配列されて内側の3個がやや大きく、仮雄ずいになっている。花被片は花後も残る。
 
果実は液果で直径1㎝ほどのゆがんだ球形で熟すと黒くなる。
 名前の由来は不明。



   神社屋敷の巨木
写真2016.3.5笠島

      冬芽

写真2016.3.5笠島

林床のタブノキ等の実生
写真2016.3.5笠島