スイカズラ(石黒には自生しない)
暮らしとの関わり
 石黒では未だ出会わない、おそらく自生していないものと想われる。柏崎市街地の周辺では普通にみられる。
 6月頃に山道を通るとスイカズラの花が佳い香りを発散している。
 冬にもツルの先の葉は残っていることから「忍冬−ニンドウ」とも呼ばれるという。このことから半落葉樹ということになろう。冬の葉はシャクナゲと同様巻くような形になって寒さをしのいでいる。
 その他、花冠が開花期後半は黄色に変色するため、「金銀花」という呼び名もあるそうだ。
 花の蜜は吸ってみたが、筆者が子供のころに吸ったタニウツギの花より甘くないが、香りがとてもよい。
 常緑であるが柏崎では厳冬期には大半の葉を落とす。杉林の縁などで風の当たらないところでは冬でも緑色の葉を保つものも見かける。(下写真)
 別名「ニンドウ(忍冬) 」の由来は、冬でも葉を残し寒さに耐えていることだが、誰もが冬のスイカズラの姿を目にすれば納得がいくだろう。このような半落葉ともいうべき樹木としては、筆者の知る限りでは、石黒ではナワシログミヤマツツジなどがあげられる。
 今日(2013.12.29)福島の伊達市の大橋洋子さん(大野出身)から真っ赤に紅葉したスイカズラの葉(左写真)の写真を送っていただいた。柏崎市周辺ではこのように赤く紅葉する葉に出会ったことはないように思う。殆どは黄色か暗紫色に紅葉したものが多い。(2014.1.7に再度、数枚の写真をお送りくださったので掲載写真を入れ替える)
 今日(2014.5.11)市内緑町の道路沿いにスイカズラに似ていて葉が羽裂した個体に出会った。スイカズラは、市街地周辺山側で普通に見られるがこのような形の葉には出会ったことがなかったので他種であると思った。WEB上で調べてスイカズラの変種であること知り驚いた。→下写真
参考画像→自生の様子

写真2010.6.12 畔屋 右上果実写真2009.11.4田塚


        
若い時の軟毛や腺毛

写真2009.6.2 田塚
          

       対生してつく包葉とガク・小包
写真2009.6.2 田塚


              花のつくり

写真2008.618 田塚
                  果実期

写真2011.12.2田塚

  柏崎では冬季は大半の葉を落とすが下のように葉を保つものもある
写真2013.12.26 畔屋


                 葉の変異

写真2014.5.11市内緑町

解 説
スイカズラ科
 北海道から九州の各地に分布。ツル性の常緑の木で枝は丸く、若い時には軟毛や腺毛が生えている(左下写真)
 葉は対生し短い柄があり形は楕円形〜長楕円形で全縁(左下写真)。葉柄も含めて長さ3〜7p、幅1〜3p。若葉には軟毛があり、葉の下面は淡緑色(左下写真)
 花期はご5〜6月。葉の付け根に芳香のある花を2個並んでつける(左写真)。枝先では、しばしば花穂状となる。花冠の長さは3〜4pで外面の軟毛がある(左写真)。花の筒部の細長く上部は5裂して唇形となる。
 花は初め白いが後に黄色に変わる(上写真)。雄しべは5個、雌しべは1個。花の下には包葉が対生してつく。ガク筒は無毛。
 果実は液果で熟すと黒く径6〜7oの球形。種子は数個で、大きさは2〜3mmと小さく鋭端、偏平の楕円形。(下写真)
 名前の由来は、花中に蜜があり、それを子どもが吸ったことによる。「吸い+カズラ(蔓)」。



    丸く毛の生えた茎

写真2010.6.12 畔屋

       対生する葉

写真2009.10.15下藤井

    短い柄と葉裏の色
写真2010.6.12 畔屋

     未熟なころの実

 
写真2011.10.12 田塚

  一株での葉の大きさの差
  写真2011.10.12 下藤井

   紅葉したスイカズラの葉

写真2014.1.4伊達市 洋子

 暗紫色に紅葉するスイカズラ

写真2008.1.7畔屋

      果実と種子

写真2013.12.26 畔屋


    正常と変異の葉の形
写真2014.5.11市内緑町