カツラ
暮らしとの関わり
 石黒ではごく希な樹木である。石黒のみならず柏崎地方でも珍しい木の一つである。
 上の写真は落合の墓場脇の川沿いで撮った。昔から桂は川沿いでなければ育たない木と言われた。
 昨年(2006)、落合の伊勢治さんから集落の川向こうに春になると赤い花らしきものが一面につく木があるので名前を調べてほしいとの依頼があり出かけてみた。
 秋のことで花は見ることは出来なかったが、葉や幹からカツラであることが分かった。
 また、種子が見られなかったことと村人の話では春には赤い花が一面につくという話から雄株であると分かった。来春の開花時には是非撮影をしたい。(2007) 短く、撮影の機会を逃してしまった。来春(2010)こそ撮影したいものだ。
 ようやく、2010年の4月に花の撮影をしたが花のつきかたが南側の枝に偏り全体の景観はいまいちである。その一日後には左下写真のように満開となった。
 秋の落葉はイチゴのような甘い香りがするといわれる。是非確かめてみたい。

 
去る、5月8日(9011)居谷集落でカツラの雌株に出会った。落合の雄株とは一山隔てられているとはいえ風媒であるから受粉は可能と想われる。果実を今後観察したい。
参考画像→カツラ雌株(居谷集落)
 ちなみに、筆者が中学生の頃に観た映画「愛染かつら」の原作は、著者の川口松太郎が信州上田市にあるカツラの巨木〔周囲5m余〕と近くにある愛染明王堂と結びつけて小説のヒントにしたと伝えらる。
 ところで、昨日〔2012.4.21〕残雪の様子を撮影に下寄合を訪れた折りに、集落中央の川沿いに桃色のカツラの花が目にとまり、石黒で2本目の雄木と確認した→石黒のカツラ。〔居谷には雌木が1本ある〕
 辻井達一著「日本の樹木」によればカツラは流れる水の近くを好むらしい、確かに石黒で見られる落合、居谷集落のカツラはいづれも石黒川の近くに生えている。
 思わぬ出会いは人であれ草木でれ真にうれしいものである。折を見て近くに行って挨拶がてら幹の大きさ等を観察したいと思っている。

〔写真2007.10.2 落合  右最上写真2010.4.20 落合〕


            雄株の開花の様子

写真2010.4.20 落合

          
 カツラの葉と幹

写真2009.5.19 落合

           花弁も萼もない花のつくり

写真2009.4.19 落合

解 説
カツラ科
 北海道〜九州に分布。日本特有種。各地の日当たりの良い谷間、特に渓流沿いに生える落葉高木雌雄異株
 幹は高さ20〜35m、直径2mにもなる。時には一株で数本の幹を出すものもある。
 葉は対生で長い柄がある〔上写真〕。縁には鈍い鋸歯がある〔下写真〕。長さ幅共に3〜8p。下面は粉白色で5〜7本の掌状脈がある。(写真下)
 葉は2回に分けて展開する。最初に長枝に2枚の対生の葉を、短枝に1枚の葉をつける。その葉形はハート型で春葉と呼ぶ。その後に開葉する葉はハートの凹みがない形で夏葉と呼ぶ。
 カツラは長枝と短枝を持ちそれらをまく配置させることによって、効率的に光合成ができる。
 花期は4〜5月、葉よりも早く苞につつまれた紅色の花を葉の付け根の部分に1個つける。
 裸花花被はない〔上写真〕。雄花には雄しべが多数あり、花糸は極めて細く、ヤクは線形で紅色なので特に雄株の花は目立つ〔左写真〕風媒花
 果実は袋果で淡柄があり円柱形で湾曲し、種子は片方にがある。長さ1.3〜1.5p。
 材は器具材、楽器用材などになる。



   葉の縁の鈍い鋸歯
写真2009.5.19 落合

  つぼみと花拡大


写真2010.4.20 落合

  下寄合にあるカツラの雄木

写真2012.4.21 寄合
写真2019.4.21 寄合