ウミウ
暮らしとの関わり
 カワウは鯖石川や池などで遠くから見ていたが、ウミウを確認したのは上の写真の撮影地が最初であった。
 一昨日〔2015.2.4〕は立春で最も寒さの厳しいころであるが新潟には珍しい晴天に恵まれ、鳥に詳しいH氏と番神から西山刈羽地区の池を訪れた。
 上の写真は柏崎港付近のテトラポットの上で休んでいるウミウである。15羽ほどが見られたが、幼鳥もいて撮影できたのは幸運であった。
 欲を言えば、50mほど離れているので鮮明な写真が撮れないのが残念であったが、今後の出会いを期待しているところだ。

 今日(2015.2.25)鳥に詳しいHさんと水鳥を撮りに出かけたが予報がはずれ終日雨の天気となった。
 西山の長嶺の池のハクチョウも既に渡りの時期に入り200羽ほどに減っていた。(いつも、姿が見られた刈羽村のラビカ周辺のコハクチョウの群れも既に旅だったらしく一羽も見当たらなかった) 長嶺の池から五日市の池、そして刈羽村の井岡の池をまわって午後から柏崎埠頭に行きカモメの撮影を期待したが出会ったのはセグロカモメとウミウであった。ウミウは3羽でせっせと狩りをしていた。そのまわりを20羽ほどのセグロカモメが飛び回っていた。よく観察しているとウミウが海面に顔を出すたびにセグロカモメがそこに殺到する。
 不思議に思いH氏に尋ねると、ウミウがくわえた魚を横取りするためという。ウミウは加えた獲物を浮上してから加えなおして飲み込むためそのすきをねらって横取りするというわけである。カモメは一般に優しい可愛らしい鳥という印象であるがなかなか獰猛でずる賢い鳥であると思いを新たにした。

写真2015.2.4柏崎埠頭付近


                カワウとの区別点
ウミウ   カワウ
 主に海岸、河口で見られる 主に川や池、河口で見られる
 上面の羽は暗緑色光沢  上面の羽は褐色光沢
 嘴の基部の黄色部が三角形にとがる  嘴の基部の黄色部分が尖らない
 
 頬の白い部分が広く、目の後方から斜めに上がる  頬の白い部分が狭く、目の後方から真横に伸びる
 海の岩礁で集団営巣(小規模)  川、池近くの樹上で集団営巣
 海面近くを飛翔する  高い所を飛翔する
 2015.2.6 表責 大橋寿一郎

                嘴の部分

写真2015.3.6柏崎埠頭

        群れて陸で休んでいる様子

    写真2015.2.4柏崎埠頭付近

               幼鳥
    写真2015.2.4柏崎埠頭付近
写真2015.2.25柏崎埠頭付近
資料-初冬のウミウ

解 説
ウ科
 日本全土の海上で見られる。北日本や九州北部の島の岩場で繁殖、冬は全国の海岸や岩場で見られる。夏の繁殖期が終わると移動する渡り鳥。
 体はカワウより一回り大きく、背に暗緑色の光沢がある。全長84-92cm。開長133-152cm。
 カワウとは、嘴、顔、目の周りの羽の生えていない部分が白色で細かな黒の斑点があること、また、嘴のつけ根の黄色い部分が目の後方に三角形にとがっていることなどで区別できる。(左の表参照)
 夏羽は頭部と大腿部に白い羽毛が生え、腰に白い斑紋が入る。
 幼鳥は全身が黒褐色の羽毛で覆われ、下面が白い羽毛で被われる(左下写真)
 繁殖地は外洋に面した高い岩礁の断崖絶壁を選んで集団営巣をする。新潟見では粟島が有名で天然記念物に指定されている。
 ちなみに、九州以北の海岸で局地的に繁殖し、繁殖地付近では留鳥として終年生息する異例もある。
 観光地などで見られる有名なウ飼いのウはウミウ。



    着水態勢の様子
写真2015.3.6柏崎埠頭

       着水寸前
写真2015.3.6柏崎埠頭

   水面を泳いでいる様子
写真2015.3.6柏崎埠頭

  餌を捕りに潜水する瞬間
写真2015.3.6柏崎埠頭

   水面に出た様子

写真2015.3.6柏崎埠頭

   餌を飲み込む様子
写真2015.3.3柏崎埠頭

     飛び立つ様子
写真2015.3.3柏崎埠頭