ズグロカモメ
 
 
 
暮らしとの関わり
 柏崎初記録のカモメ。新潟県でも10回くらいしか記録がない。カモメの一種であり海が生きる場なので石黒で見ることはない。
 今回は鵜川河口の干潟状になった砂州にウミネコなどの他のカモメに混じっていた。しかし、固まったカモメ群から少し離れた場所で休んでいた。
 一見はユリカモメに似ているが、それより小さい。しかし、遠くで見ていると大きさは分からないことが多い。ユリカモメと異なる黒く短いクチバシが識別の大きなポイントかと思う。行動は単独で、水中に飛び込んだり、砂州をつっついたりかなり活発な動きをしていた。
 大陸で繁殖し、冬期日本に越冬のため渡ってくる。主に九州へ来るのだが、少し北上し過ぎたようだ。定期的に来てくれたらと思う。(長谷川)

写真2016.3.13 鵜川河口 長谷川

            からだ全体の姿

写真2016.3.13 鵜川河口 長谷川

          繁殖地(緑)と越冬地(赤)

                    作図責 大橋寿一郎

解 説
カモメ科
 黄海や渤海沿岸で繁殖し、冬季になると大韓民国や日本、ベトナム、台湾に南下し越冬する。(左下図参照)
 日本には冬季に越冬のため主に九州に冬鳥として飛来する。
 全長は29〜32.5p、翼長は27〜28p、翼開張85-91p。雌雄同色
 頭部は丸みを帯びる。上面の羽衣は淡青灰色、頸部や下面の羽衣は白い。
 初列風切先端に黒い斑紋が入り、静止時には白と黒の縞模様に見える。
嘴は太くて短く、色彩は黒い。後肢は暗赤色や濃赤色。
 幼鳥は後頭に灰褐色の斑紋、肩羽雨覆三列風切の羽軸に沿って褐色の斑紋(軸斑)が入る。夏羽は頭部の羽衣が黒く、 和名の由来になっている。眼の上下は白い。冬羽は頭部の羽衣が白く、 頭頂に灰黒色の筋模様が2本、眼後部に黒い斑紋が入る。
 河口や干潟に生息する。食性は動物食で、魚類、甲殻類などを食べる。低空を飛び、獲物を発見すると急降下して捕食する。
 開発による生息地の破壊等で生息数は激減している。
 絶滅危惧II類環境省レッドリスト)に指定されている。