シロチドリ
   
 
 
暮らしとの関わり
 柏崎の海岸線の砂浜の減少とともに数を減らしているのがシロチドリである。減少は柏崎だけのことでなく全国的なものと聞いたことがある。シロチドリの繁殖できる砂浜が減っているのは柏崎だけではなさそうだ。近年絶滅危惧種にも指定された。
 柏崎に砂浜のあったころはコチドリとともに柏崎で繁殖するチドリだった。栄町や新花町裏の海岸に砂浜のあったころは当たり前のように繁殖していたが、近年は全く情報がない。  それでも10数年くらい前は、松波町や荒浜の砂浜に秋の渡りの途中と思えるシロチドリが数羽やって来ていた。その後姿を消していたが、最近番神や鵜川河口部の砂浜で秋の渡りの季節に見られるようになった。砂浜が復活しているのかもしれない。
 今年は3月頃にやってきたが、渡りの途中なのか子育てのために柏崎に来たのかは分からない。雄も雌も来ていた。初夏までいたので、繁殖? と期待を持ったが、間もなくいなくなった。
 この冬は、番神弁天岩で数羽のシロチドリが冬越しした。シロチドリ復活の先駆けとなってくれ、と祈らずにはいられない。(情報提供-長谷川)
 角川地名大辞典によれば、柏崎市の悪田村の昔の産物は「鰯と千鳥」とあるが、猟期が11〜12月とあることから、ここでいう千鳥とは、シロチドリやハマシギのことであろう。当時は鯖石川河口に広大なアシ原が広がり水鳥にとって豊かな餌場が広がっていたものと思われる。
 先般、このことをいつも指導を御願いしている野鳥研究者の長谷川さんにお尋ねすると、しばらくして、詳しい資料を作成し来宅くださって丁寧に指導してくださった。資料を下記にの掲載したので興味のある方は是非ご覧いただきたい。

資料→古文書に見られる悪田村の産物-千鳥について
ビデオ資料→シロチドリとハマシギ

写真2017.3.14 柏崎市 長谷川


          波打ち際の砂浜にて
写真2017.3.14 柏崎市 長谷川


解 説
チドリ科
 日本では夏季に繁殖のため飛来する(夏鳥)、もしくは本州以南に周年生息(留鳥)する。南西諸島では越冬のため飛来する(冬鳥)。したがって、日本では、ほぼ一年中見られる。
 全長は、10〜17.5p。翼開張は42〜45p。
 上面は灰褐色、下面は白い羽毛で、眼上部に白い眉状の斑紋が入る。(上写真)また、胸部左右の側面に斑紋があり(下写真)、左右がつながる個体もあるという。風切羽には白い斑紋があり、飛翔時にはそれが帯状に見える。嘴は黒く、足は黒褐色。冬羽では過眼線や胸部側面などの斑紋が不明瞭となる。また、頭頂が灰褐色の羽毛で覆われる。
 砂浜や干潟、中流域の河川敷、湖、池沼などに生息する。非繁殖期には中規模ときには大規模な群れをつくることもある。
 食性は動物食で、水に住む昆虫、節足動物、ゴカイなどを食べる。捕食の折のジグザグとした動き方は酔っ払いの歩きを連想させることが「千鳥足」の語源となったのであろう。
 鳴き声は「ピル、ピル」時には「ケレ、ケレ」と聞こえる。



   胸部左右の側面の紋様

写真2017.3.14 柏崎市 長谷川