オオハクチョウ
暮らしとの関わり
 今日(2015.1.21)は、冬期には希な晴天に恵まれたので、西山町の長嶺の池を訪れた。300羽ほどのオオハクチョウが見られた。長嶺の池は、筆者の50歳代の勤務先近くにあり、何度か訪れたことはあるが、当時に比べて環境も整い飛来数も増している。この池で見られるのは、ほとんどがオオハクチョウだが、コハクチョウも少ないが見られるようだ。
 この日は見物客も十数人みられた。地元の近くの家の方の話では今日は餌(農家の人たちが届けてくれるクズ米など)を播いてやった直後なので今はあまり喜んでばないようだと話しておられた。自分と家内は売れ残りの食パンを2袋買って行ったのだが、そんな訳で残ったパン一袋は持ち帰りその日の自分たちの昼食とする仕儀となった。
 また、以前、近くの学校に勤めていた時、この池に面して住居のある子どもに「窓を開ければハクチョウが見られていいね」と言ったところ「とても、鳴き声がうるさく困ります」という意外な返事がかえってきたが、確かに、この度行って見るとなかなか賑やかである。この日は湖面のはるか上空では無数のカラスが群れて鳴き騒いでいたので一層であった。
 ところで、ハクチョウの周りに多くのカモ類が見られるのは見慣れた光景であるが、これは撒き餌をもらいたいばかりではなく、外敵から身を守るためであろう。食性や大きさが異なる鳥類が一緒にいれば互いに生まれ持った監視能力を合わせてより安全に過ごすことができるのであろう。その証拠には撒き餌をしないところでも彼らは一緒に過ごしている。
 今日(2015.3.7)今冬から4度目に西山町長嶺の池を訪れた、既に渡りが始まって数が減っていると思っていたが、長年にわたりハクチョウの世話をされたきた庭山さんにお聞きすると未だ300羽近いとのことであった。
 今年最初(2015.1.21)に訪れたときには、餌が播かれた後であったのか余り喜んで食べなかったが、今日は妻が撒く餌を争って食べていた。北の繁殖地への厳しい渡りも近く体に十分なエネルギーを蓄えているのであろう。みんな、無事に越冬地に着くことを祈るばかりである。

ビデオ資料-オオハクチョウ
ビデオ資料−餌を求めるハクチョウたち

写真2015.1.21西山町長嶺 ※近くに見られるのはオオバン

ビデオ資料-道を横断するオオハクチョウたち


          ほぼ成鳥(手前)と幼鳥(右奥)
写真2015.1.21西山町長嶺

      浅瀬で水草を食べる姿(灰色は幼鳥)
写真2015.1.21西山町長嶺

             着水する様子
写真 2019.1.3 西山町長嶺   将和

      カモと話をしているように見える
写真2015.3.7西山町長嶺

       西山町長嶺の池のハクチョウ
写真2015.3.7西山町長嶺

                繁殖地
写真2015.1.21

解 説
カモ科
 シベリア方面の針葉樹林の繁殖地から冬季にやってきて沼湖、川などの水辺にすむ。越冬地は日本の外に、ヨーロッパ、中国、朝鮮半島、カスピ海など。
 全長140〜165p、翼開帳218〜243pと大形。
 体全体の羽が白いが幼鳥の羽は薄い灰褐色で容易に区別できる。嘴は黒色でつけ根の方は黄色(幼鳥はピンク色)で下部は先に長くのびる(下写真)。
 食性は草食性が強く水中や水面の水草や陸上でも落穂や青草を食べる。
 鳴き声は「コー」と長く伸ばす。



 雄雌のつがいであろうか
写真2015.3.7西山町長嶺

      飛翔の姿
写真2015.1.21西山町長嶺

      嘴の様子
写真2015.1.21西山町長嶺

     休息中の様子

写真2015.3.7西山町長嶺

 水上での羽ばたきの後ろ姿 写真2019.1.3 西山町長嶺 将和

 水上での羽ばたきの横姿
 写真2019.1.3 西山町長嶺 将和

  首を水中に入れて食餌
 写真2019.1.3 西山町長嶺 将和