オカヨシガモ 
   
 
暮らしとの関わり
数年前に五日市の池に数羽が姿を現したが、それが柏崎での写真に撮られた最初の確実な記録になる。滞在したのは数日だけだった。その時は池の中を大きく動き廻りながら群れでまとまって盛んに採食していた。渡来直後で空腹だったのだと思う。これからの移動に備えての旺盛な食欲だったのであろう。渡りの途中に立ち寄っただけと思う。すぐにいなくなった。
 冬期、大陸からやって来るカモは、柏崎で冬越しする種類と、柏崎を通過してさらに南へ行く種類がある。マガモコガモ、その他などが柏崎で越冬するカモである。一方、このオカヨシガモ、ヨシガモなどは冬期には見られなくなることから通過していく種類と思う。
 近年オカヨシガモは、少数であるがほぼ毎年のように前出の五日市池、その近隣の農業用水池、さらに鵜川の河口などに姿を現したが、いずれも秋であった。しかし、(2019―2020)冬は、1月3日に吉井の池に姿を現した。柏崎でも越冬すると期待したが、見たのはこの日1日のみであった。その冬の気候により、越冬か、通過か、変わるのかもしれない。今後も、眼を離せないカモと思う。
 ヨシガモは新潟県では準絶滅危惧種(注)でありながらの狩猟対象鳥だが、このオカヨシガモはレッドデータリストの対象ではないが狩猟してはいけないカモだ。柏崎にとってはいずれも春秋の渡りの季節のみに見られる希れなカモである。(長谷川)
写真 2014.11.7 撮影 長谷川

               雄 写真 2014.11.7 撮影 長谷川



解 説
カモ科
 日本では、ごく少数が繁殖する北海道の一部を除いて冬鳥として湖沼、湿原などに見られる。
 全長46〜58cm、翼開帳84cm。
 繁殖期のオスは頭部の羽衣が褐色や灰褐色で黒い斑点が見られる。尾羽基部は黒い。非繁殖期は雌雄ともに全身の羽が褐色で黒褐色の斑点が見られる。
 食性は主に植物食で種子、茎、葉、根、昆虫や魚類、両生類なども食べる。主に、小さな集団で水面に頭をつけて泳ぎながら採食をする。
 繁殖地は北アメリカ体力、ヨーロッパ北部、シベリア。
 名前の由来は「内陸の湖沼により多く生息するから」などの説が見られる。
 ※狩猟対象外の鳥。