ミヤコドリ | |
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暮らしとの関わり 水辺、特に海岸線に生息する鳥のため石黒に来ることはない。 春と秋の渡りに日本を利用する渡り鳥で、新潟県でも稀に記録されるのみである。柏崎では40数年前に番神で記録されたのが最初で、その後聞いている限りでは1回あるのみである。 初めて見た40年前は鳥好きなら誰もが持つ軽い興奮と充実感を感じた。こんな鳥を見つけた時に一人で楽しむのは惜しい。今回はその場で仲間の一人に電話した。その人を介して何人かがこの鳥を楽しみ鳥好きの充実感を味わった。 ところで、写真の鳥は片方の脚の指が全くない。この鳥は色彩からして成鳥と思われるが、これで南北を移動しながら生き続けていることに頭が下がるし、野生の生きものの逞しさを感じる。無事に渡り終えて来年も柏崎に来て欲しい。(上記情報提供−長谷川) 珍しい海鳥の写真と情報をいただいて、このページが作れることを感謝している。新潟日報事業社の「新潟県鳥獣図鑑」には、「県内では聖篭町、柏崎市、新潟市で記録されたくらいである」と記されいる。 また、本頁に記載の個体が片足を失った個体であることも驚いた。一般に渡りは群れで行うが、たった一羽が見られたということは群れから脱落したものであろうか。渡り鳥は一羽が脱落すると付き添いをつけて休憩し回復を待って次の群れに合流すると聞いているがこの個体の場合は、どのような事情なのであろうか。仲間もこの個体のハンディーを承知して一羽で休憩地に下り立ち後続の群れに合流するというマイペースの渡りを続けているのかも知れない。いずれにせよ、長谷川さん同様、その逞しさに頭が下がるとともに無事に繁殖地に到着することを祈っている。 ところで、奈良時代の万葉集や平安の伊勢物語に「都鳥」または「みやこどり」という言葉が見られるというが、これは「ユリカモメ」であるとされている。 山育ちの自分には、ユリカモメよりミヤコドリの方が京の都の鳥と呼ぶにふさわしいように思うが・・・・。 資料−ミヤコドリ-YouTube 撮影日 2015.10.21 長谷川 柏崎海岸 片足を失った ![]() セグロカモメとともに ![]() 写真 2015.10.21 長谷川 柏崎海岸 ![]() |
解 説 ミヤコドリ科 繁殖地は北欧から中央アジア・カムチャッカ半島など。越冬地は西欧から中東・中国・日本などで多くの国で見られる鳥の一つ。かつて日本では旅鳥または冬鳥として主に九州に渡来していたが、近年は東京湾でも定期的に観察されるようになった。 体の特徴は、雌雄同色、夏冬異色で冬羽には喉部を横切る白線がある。幼鳥は、嘴が暗褐色で基部が朱色。喉に白い斑点がある。 体長は45cmほどで、ハトよりひとまわり大きい。長いくちばしと足は赤い。からだの上面は黒く、胸から腹、翼に白い部分がある。 餌は貝類やカニ、ゴカイなど。 二枚貝は、縦に平たくナイフのような嘴(下写真)を貝の殻の隙間に差し込んで開平するための筋部を切断して開いて食べる。差し込むすき間の無いときには鋭い嘴て貝殻を突き破って筋を切断する。 岩に張り付いた貝はその隙間に平たい嘴をタガネの様に打ち込み剥して食べる。ゴカイは僅かの砂の動きで居場所を感知して捕食する。 両足を交互してチドリ類より歩き方はゆっくりで、警戒するときは首を伸ばし頭を上下に振る。 鳴き声は「ポピーヨ、ピッ、ピッ、ピッ」と聞こえる。 正面からの頭部 ![]()
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