エゾムシクイ 
   
 
暮らしとの関わり
 先日(2019.5.6)、自宅の玄関先に「ウグイスの死骸がある」と家人が言うので行ってみると確かにウグイスに似た小鳥であった。どうやら透明のフードに衝突したらしい。
 名前を調べるために体の様子を撮影していると、急に動き出したので一先ず、透明の入れ物に入れて30分ほど怪我の様子が見られないか観察した。
 幸い、無事のようであったので、庭で放してやると元気よく我が家の生垣から隣の生垣へと低い所を勢いよく移動して去っていった。未だ、昆虫の少ない時期で十分の餌が捕れるかどうか、心配であった。
 後日、知り合いの野鳥研究者のHさんにより、この鳥は「エゾムシクイ」であることが分かった。
 
 ところで、筆者が子どもの頃(1945年)、ふるさと石黒では「鳥もち」というものはなかった。成鳥を捕らえるには家の中に迷い込んだ個体やガラス窓に衝突して気絶状態となり生き返る個体がたよりであった。ガラス戸への衝突例は意外に多かったが、首の骨を折ってしまう鳥も多かった。当時の家の後には大抵の家はタネ(小さな池)があったせいか、とくにカワセミの衝突事故は多かったように思う。

写真 2019.5.6 松美町 


              翼の様子

 写真 2019.5.6 松美町



解 説
ウグイス科
 日本では夏鳥。夏期に北海道や本州、四国に飛来する。
 全長11.5pほど。体重は8〜13g。背面は褐色、胸から腹部は白色。眼上部にある斑紋は細く黄白色。足の色はピンクがかった褐色。
 急な崖が多い亜高山帯のブナや広葉樹の混成地帯に好んで生息する。雌雄同色
 食性は動物食で昆虫やクモ類を餌とする。
 繁殖は洞窟や壁面にある窪みに巣を作り6〜7月に産卵する。抱卵は雌のみが行ない、ヒナは孵化してから15日程で巣立つ。
 鳴き声は細い声で「ヒーツーキー、ヒーツーキー」「ツーチーツーチー」「ピッ.ピッ」などと聞える。
 名前の由来は、本州以北(北海道寄り)で繁殖することによるものか。



       体の大きさ
 写真 2019.5.6 松美町