ヤハズソウ
暮らしとの関わり
 ヤハズソウの花は5mmほどの小さい花であるが意外と目をひく。それは花の鮮やかな桃色が周りの形の美しい葉(下写真)によって引き立つせいであろう。
 また、花のつくりから見て、上方の旗弁と呼ばれる丸い花弁〔右上写真参照〕の形と色に、人の目に訴える魅力があるように思われる。
 子どもの頃は葉を引き切るとV字形になることを東京から疎開してきた友達に教わったことを覚えている。しかし、見かけによらず茎や根は強く畑や芝の中に生えると厄介な害草でもある。
 似た種にマルバヤハズソウがあるが、こちらは葉の先が丸味を帯び、茎の毛が上向きに生えていることにより、区別できるといわれる。(※ヤハズソウは下向き→右下写真
)

(写真上2005.7.11板畑 右上2005.8.30落合)


                群生


2007.8.7大野

            葉脈と短い柄

2010.7.8大野

           冬枯れの様子

写真2014.2.3藤井
       
解 説
マメ科
 日本全土の道端に普通に見られる一年草
 茎は枝分かれして伸び10〜25pで下向きの毛がある(下写真)
 葉は3枚の小葉からなる。小葉の長さは1〜1.5pほどで短柄がある(右写真下)
 花期は8〜9月。花は葉のつけ根に集って1〜6個咲く。花は長さ5oほどで紅紫色。ガクは釣り鐘形で5裂し花弁の長さはガクの長さの2倍ほど(下写真)
 果実は種子1個をもち宿存ガクがあり熟しても割れない(右写真下)
 名前の由来は小葉を先の方を引っ張って取り去ると、家紋の矢筈紋(左下写真)の形に似ることによる。このような切れ方をするのは中脈から斜めに平行な脈があるため(左下写真)



      葉の表裏
2007.8.7大野

   茎の下向きの毛

2007.9.11下石黒

  豆果(ガク残る)

2007.9.11下石黒

   ガクと花弁

2007.9.11下石黒

   矢筈紋

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