ウンラン

暮らしとの関わり
 ウンランは市内海岸の所々に普通に見られる。白色の上唇と黄色の下唇のコントラストが目をひく。
 花期は8月〜とあるが7月の初めから咲き始める。 
 花のつくりは独特であるが、持参した牧野植物図鑑で調べると下唇の中央部がこぶのように膨らんで雄しべ雌しべも見えない。上唇をピンセットで取り去ると長さの異なる雄しべと雌しべが現れた。受粉の媒介をする蜂はそこにもぐり込むのであろう。その様子を観察をしてみたいものだ。
 根茎の様子を観察するために一株掘り起こしてみたが海浜植物にしてはやや貧弱だと思った。厚みのある葉が水分を保つ役目を果たしているのであろう。観察後は丁寧に埋め戻して来た。
 その後、荒浜海岸で花期の群生にであった。→参考写真

写真2012.9.5 裏海岸(※奥はハマゴウ、左上はケカモノハシ)


              早春の芽

真2013.7.27 松波海岸

           花のつくり


写真2012.7.6 裏海岸


                群生

写真2012.7.5 裏海岸

写真2012.9.10 荒浜海岸

           茎の下部と根茎

写真2012.7.5 裏海岸

           開花期の様子


写真2012.9.10 荒浜海岸

写真2012.8.16 裏海岸
(※茎の上部を持ち上げて撮影)

解 説
ゴマノハグサ科
 本州の千葉県以北の太平洋・日本海沿岸、瀬戸内海沿岸、北海道の海岸の砂地に生える多年草
 茎は直立または斜上して高さ20〜30pほど。
 葉は対生しまたは、3〜4個輪生し上部のものは互生する。葉の形は楕円形で先は鈍形で三個の脈が目立つ〔上写真〕。長さ1,5〜3p、幅0,5〜1.5pほど。
 花期は7〜10月。茎の上部に短い総状花序をつけ数個の大形の花をつける。
 ガクは緑色で5裂し裂片は狭い楕円形で先が尖る。花は仮面状花冠があり白色で中央部の盛り上がった部分は黄色い。
 雄しべは4個のうち2個が長く、雌しべは1個。
 果実は球形のさく果でガクに包まれ径6〜8oほどで先端に穴がありそこから種子を散布する。
 種子は黒色で長さ約3oで厚いをもつ。
 名前の由来は「海蘭−うんらん」の意味であろう〔牧野植物図鑑〕といわれる。



      早春の幼苗
写真2013.3.27裏海岸

      つぼみ


写真2012.7.6裏海岸

     5裂するガク

写真2012.7.6裏海岸

4本のうち2本が長い雄しべ

写真2012.7.6裏海岸

      秋の幼苗

写真2012.8.16裏海岸

     果実と種子
写真2012.11.22裏海岸

 ウンラン種子(長さ約mm)
撮影2012.11.27