スズメウリ
暮らしとの関わり
 石黒では、家の周りや集落内の道端では見られない植物である。
 山道の少し湿ったような所にノブドウと(上の写真の紫色の実)と絡まるようにして見受けられることが多い。
 秋になると白い果実が目をひく。子どものころには、その小さなメロンのような美しい実が珍しく、食べられないのに見かけると我先に取ったものだ。
 果実の成熟の様子を観察すると楕円球から充実するにつれ、まん丸の球形となる。(右写真)
 スズメウリがたわわに結実した写真を福島より送って頂いた。スズメウリは3月11日の地震と津波による原発事故のため放置された柿の木に絡みついている。この写真は単なるスズメウリの生態写真にとどまらないドキュメンタリーなものを持っているのであえて掲載した。→写真

(写真上2004.8.23寄合 右下2005.7.30落合)


      雄花と雌花

写真2011.8.17 桑折 洋子

         夏期のスズメウリ


写真上2011.8.13桑折 撮影大橋洋子

     たわわについたスズメウリの果実
   写真2012.10.16畔屋

        スズメウリの種子

写真上2009.11.5上石黒




解 説
ウリ科
 本州から九州の原野や水辺などに生える一年草の蔓草。
 茎は細長く巻きひげで他の植物などにからんで伸びる。
 葉は巻きひげと対生し、柄があり葉の形はキュウリの葉に似ていて質は薄く柔らかく脈上にのみ毛がある。巻きひげは枝分かれはしない。
 7〜8月に雌雄花ともに葉の付け根に単性〔一方の性〕でつく。花は白色で5裂し径6〜7o。ガク歯は5個、細い花柄がある(左写真)
 雄花は3個の雄しべがあり、雌花は短い花柱があって柱頭は2裂する。
 果実(液果)は長さ15〜20oの糸状の柄でぶら下がり直径1〜2pの球形、無毛で滑らかで初め緑色だが熟すと灰白色になる。〔上写真〕
 種子は平たく、長さ5〜6o。〔左下写真〕
 名前の由来は、カラスウリに対して小型であることや果実がスズメの卵に似ていることによると言われる。



       幼苗

写真上2012.6.17播種したもの

 未熟果実と成熟果実と種子
写真2012.10.16畔屋

       完熟期

写真2007.11.5上石黒-中央カマキリの巣