オオキンケイギク

暮らしとの関わり
 石黒では、子どもの頃から、庭のつぼどこ(花壇)に植えられているの何度も見た記憶がある。おそらく、昔から育てやすい花として好んで栽培されたものであろう。だが、自分は石黒地域を、くまなく歩いているが逸出している個体に出会ったことはない。
 市街地では、2008年ごろと記憶するが、高速道路のガード付近の法面に群生し開花している様子を見た。これは緑化のために播種したものであろうと、その時は、導入の目的に適合した良いアイデアだとも思い感心した。
 だが、2006年に、オオキンケイギクが「特定外来生物」の一つに指定され、栽培が禁止され、違反した場合は懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金、法人の場合は1億円以下の罰金が科せられる事を知り驚いた。
 本種の、生態系などに対する被害の実態を目の当た見たことのない自分には実に意外なことであった。ウェブ上で検索すると新潟市役所の「オオキンケイギクにご注意ください」というサイトにも出会った。
 ちなみに、柏崎市街地周辺でも前述の10数年前に高速道路の矩部分に植えら群生して開花している様を見て以来、今まで、群生に出会ったことはなかった。
 だが、先日(201805.28)、市街地の空き地で、やや大きな群生に出会った。正直なところ、実に美しく、しばらく立ち止まり眺めていた。(下写真)
 私見であるが、現在とくに市内で、オオキンケイギクによる影響を警戒しなければならない植物は近年希少化しつつある川原や海岸付近に自生する、タコノアシカワラサイコカワラマツバカワラヨモギミクリカワラナデシコ等ではなかろうか。
 ここで、ふと考えさせられることがある。それは地球規模で見れば、この共存の自然界にあって最も有害な生物は我々ヒトであるということだ。
〇柏崎市の広報(2018.4)に下記の掲載記事が見られる。
「オオキンケイギク」は、北アメリカが原産のキク科の植物です。繁殖力が強く、荒れ地や工事の際にのり面などの緑化に使用されてきましたが、平成18年に生態系に被害を及ぼす恐れのある「特定外来生物」に指定されました。
「外来生物法」によって栽培・保管・運搬・譲渡・販売なとが禁じられており、罰則があります。一般家庭の敷地や畑に生えている場合も駆除が必要になりますので、皆さんのご理解、ご協力をお願いします。
 
 市民生活部環境課環境政策係

写真2007.5.16大野


               花の形
写真 2018.5.28 市内




              群  生 - 1
写真 2019.6.2 市内

  
              群  生 - 2

写真 2018.5.28 市内 E・Mさん提供


解 説
キク科
 北アメリカ原産の帰化植物。   1880年代に観賞用、緑化用として導入されたが、現在では逸出して道端や河川敷、線路際、海岸など野生化している多年草
 繁殖力がつよく地方によっては在来種に悪影響を与えるおそれがあるため2006年に特定外来生物に指定され栽培、譲渡、販売、輸出入が原則禁止された。
 茎は束生して立ち、高さ30〜100cm。
 葉は対生、たまに互生披針形または倒披針形でしばしば3裂して裂片は全縁で両面に粗い毛がある。
 花期は5〜7月ごろ。長い花茎を伸ばし頂上に頭花をつける。花の径は4〜6cm。総苞片は2列で各列は8片。外片は葉状で内片より狭い。舌状花はふつう8個、周囲に1列に並び、花冠の先端は歯状の刻みがある。花の中心には管状の黄色い小花があり、いずれも基部に鱗片状の小苞がある。
 そう果は球状で薄いうろこ状のがあり冠毛はごく短いか無い。


 
      葉の様子


       葉の毛
写真2007.5.16大野

        つぼみ

写真 2018.5.28 市内

    つぼみ〜そう果
写真 2018.5.28 市内

         そう果
写真 2018.5.28 市内