オヒシバ
暮らしとの関わり
 昔から畑や庭の強害草として嫌われた植物である。夏になると壮大に成長して両手でも引き抜くことは難しくなる。花穂のつく茎は大人の力をもっても引きちぎることが出来ないほど強靭である。雨上がりの土の柔らかな時に引き抜くと、ごっそりと土が根に付いてくる。
 メヒシバに比べて名に恥じない強健なイメージがある。別名「チカラグサ」、「チカラシバ」も本種の特徴を言い得て妙と言いたいところである。
 畑や家の周りの草取りをさせられた子どもにとっては、手強い雑草の最たる者であったが、先を結んでひっぱりっこをして遊んだ親しい草でもあった。
 下校時、秋の日射しの下でオヒシバやオオバコで遊んだことを懐かしく思い出す人もあろう。

(写真2007.8.22 上石黒)


               幼苗

        メヒシバとの比較


   メヒシバとの小穂の比較 −上がオヒシバ


 
写真2021.10.2新田畑

        オヒシバの根

写真2007.9.1 上石黒

        
 葉鞘となる基部

写真2007.9.1 上石黒

解 説
イネ科
 本州から沖縄の日当たりのよい野原や道端、畑などに生育する一年草。根はヒゲ根(左下写真)
 茎は株立し高さ30〜50p。形は平たく質は強靱。
 葉は線状でやや内折し長さ8〜20p、幅3〜5o。葉の縁には柔らな白毛をまばらにつけ下部は扁平な葉鞘となる(左下写真)
 7〜10月に茎の先に傘形に分かれる緑色の花穂をつける。(写真左上)枝穂の長さは5〜8p。その枝穂の軸の下半面に多数の小穂を密につける。小穂は扁平で数花からなりはなく長さ6oほど。外花穎内花穎よりやや小形、護穎内穎は中に両性花をもつ。て
 穎果はやや露出して球形。
メヒシバとともに畑の強害草の一つである。強いひげ根をはるので引き抜き難く、また踏まれることにも強いので道端や庭に蔓延る。
 名前の由来は「雄日芝」で雌シバに比べ一層大きくなることによる。
別名−チカラグサ。


   メヒシバ(左)との混生
写真2010.9.11 上石黒

 メヒシバ(左)との花穂の比較

写真2012.10.20下石黒

 メヒシバ(上)との小穂の比較

写真2012.10.20下石黒

       小花
撮影 2010.10.31

 オヒシバ開花まで-画像拡大写真 2021.9.15新田畑