オドリコソウ
暮らしとの関わり
 オドリコソウは柏崎・刈羽には少ないと言われているので、石黒には自生していないものと思っていた。
 ところが、昨日(2010.6.3)山道の谷側の斜面に数十本が自生しているオドリコソウに出会った。このような出会いほど嬉しいものはない。
 本種は在来種で昔からわが国に自生していたのであるが、現在では減少しつつある。それに比べて明治の中頃、渡来した新参者のヒメオドリコソウは農道などの道端に群生している。
 オドリコソウは、花も想像したよりも大きく上品な感じで、つい見とれてしまった。来春は忘れずに若芽の頃から観察をしたいものだ。

写真2010.6.3大野


                  幼苗

写真2011.5.18大野

                 葉の裏表  

写真2010.6.3大野

   四稜のある茎と節の粗毛

写真2010.6.3大野

            上唇と下唇

写真2010.6.3大野

   4個のうち長い2個の雄しべと花片の白毛

写真2010.6.3大野
         
    筒状で5裂するガク  

写真2010.6.3大野
解 説
シソ科
 北海道から九州の道ばた、やや山野の半日陰に生える多年草
 茎は四角形で質が軟らかく、根元から群がり出て直立し高さ15〜50pで節に長い粗毛がある(左下写真)
 葉は対生し長さ1〜5pの柄があり三角形〜卵形で(左写真)長さ5〜10p、幅3〜8p。先は鋭くとがり、基部は円形または心臓形。縁には鋸歯があり裏面の脈状および表面には毛がある(下写真)
 花期は4〜6月。上部の葉の脇に淡紅色または白色の唇形の花を数個輪生する(下写真)。花の長さ3〜3.5p。
 ガクは長さ13〜18o、筒状で5裂し(左写真)裂片は鋭く尖って毛がある。
 花の上唇は著しく内曲し白色の毛がある(左下写真)下唇は3裂し中央裂片は大型で前に突きだし浅く2裂する(上写真)
 雄しべ4個のうち2個は長い(左写真)
 果実は4個の分果からなり分果はクサビ状倒卵形で3稜がある。長さ約3o(下写真)
 名前の由来は花の形が笠をかぶった踊り子に似ていることによる。




       全体の姿

写真2010.6.4大野

    四角形の中空の茎
写真2010.6.4大野

       輪生する花

写真2010.6.3大野

 葉裏面の脈状の毛

写真2010.6.3大野

      種子(分果)

写真2010.7.22大野

          根
写真2010.6.4大野