ナギナタコウジュ
暮らしとの関わり
 石黒には少ない植物のひとつである。田の畔周りなどにたまに見られる。
 ナギナタコウジュの香りは、好き嫌いはあろうが芳香と言えるものではないだろう。
 特にそのことを感じたのは、先日〔2007.11.24〕、に下写真のナギナタコウジュの種子を撮影するために嶽を訪ねると果穂は、淡紅紫色の花冠の色を失っていたが、まだ強い香りがした。枯れた花冠を指で押しつぶして中の種子を撮影したが指に強い臭い〔悪臭と感じた〕が付着してなかなか取れなかった。
 花言葉は「匂い立つ魅力」というが・・・・・近くでのほんのりとした香りはそれなりの魅力があるのかもしれない。今後試してみたい。
 茎は丈夫な野草らしく、2005年の12月に、板畑の嶽を訪れると、20pほどの雪の上にナギナタの形をした空穂を出していた。→参考画像
 石黒では、60p位の丈のものを単体で見かけたことしかないが、先日(2014.10.6)、河内地内で40pほどのものの小群生に初めて出会った。→参考写真
 
〔写真2005.10.6板畑〕

             つぼみの頃

写真2014.9.17板畑 嶽

            対生する葉

写真2005.10.6板畑

    花序 1個の苞の中に数個の花冠

写真2011.6.25板畑

          大株の個体(高さ72p)

2007.10.10下石黒

              晩秋の草姿

写真2007.11.24 板畑

解 説
シソ科
 日本全土の道端や草地に生える一年草
 茎は分枝し(左下写真)四角形で高さ30〜60p。まばらに軟毛あり(下写真)全体に強い香りがある。
 葉は対生し、短い柄があり卵形で先がとがり、長さ3〜9cmで縁には鋸歯がある。両面にまばらに毛がある(下写真)
 花期は、9〜11月。枝先に長さ5〜10pの花穂をつけ一方に向けて淡紫色の花を多数つける〔上写真〕。花穂の長さは4〜10p。花の下につく包葉はほぼ円形でガクより長い。ガクは5裂し先はとがり毛がある。裂片の先はとがり毛がある。花冠は長さ約5o、4裂して唇形で毛がある〔上写真〕
 分果は長さ1ミリほどの扁平な長卵形。
 名前の由来は、葉や茎をもむと強い香りがり、この植物を干したものをコウジュ〔香鷹〕と呼んで薬用にすること、花穂が反り返る様子をナギナタに見立てたもの。



         苞

写真2011.6.25板畑

      四角柱の茎

写真2005.10.6板畑

        葉の形

写真2005.10.6板畑

     葉裏の腺点

写真2014.9.17板畑

       種子

2007.11.24板畑

     種子散布後

写真2007.11.24 板畑