カスマグサ
暮らしとの関わり
 市街地周辺ではカラスノエンドウが多く見られるようであるが、石黒では筆者の出会いに限っていえば、カスマグサが圧倒的に多いように思われる。しかし、石黒ではどちらも市街地周辺のように普通に見られる植物ではないようだ。だいたい、子どもの頃に畑の草取りをさせられたが雑草としてのカスマグサやカラスノエンドウらしき草の記憶がない。
 石黒では、カスマグサは農協事務所の前あたりの道路沿いに毎年、這うようにして繁茂していた。10年ほど前から見て来たがその付近で昨年、大々的な道路改修が行われたのでどうなったか気がかりである。
 カスマグサは、カラスノエンドウに比べて花冠は小さく色彩も地味である。とはいえ、よく見ると淡い紫色の下地に濃紺の縞模様が見られ中々の味わいをもった花である。カラスノエンドウのようなあだっぽさはないが、すっきりとした飽きない美しさがある。

  写真2007.5.22 上石黒

           花期の頃の様子

写真2007.5.22 上石黒

解 説
マメ科
 北海道を除いた各地の野原や道端に生える越年草
 茎は細く無毛で長さは30〜60pほど。
 葉は互生して8〜12個の小葉をもつ羽状複葉。小葉は線状楕円形で長さは8〜15mm。幅は2〜4mmで、スズメノエンドウよりやや大きいく葉の先がやや尖る。基部は円形で、ごく短い柄をもつ。托葉は半切り状の形。カラスノエンドウのような腺点はない。
 花期は4〜5月。細長い花柄の先に2個ほどの淡紫の蝶形花をつける。大きさは5mmほど。
 果実は無毛で長さ10〜15mm。熟すと黒くなる。種子は3〜6個ほど。
 名前の由来は和名は「ラスノエンドウ」と「ズメノエンドウ」の中間的(の間−)であるとの意味。



 互生する葉と分岐しない先端
写真2007.5.22 上石黒