ハエドクソウ
暮らしとの関わり 　石�Kでは希に見かける植物の一つであり、初めて出会うまでには２年余もかかった。そしてついに出会った場所は筆者の山小屋の小路の縁であった。「灯台下暗し」は動植物撮影でも忘れてはならない金言であることを痛感した。石�Kの植物を調べることになって初めて知った植物の一つである。 　ハエドクソウは姿が一見ヒカゲノイノコズチに似ていて、果実もそっくりである。花はミズタビラコに似ているように思われる。 　一科一属一種で日本と北アメリカにしか自生しない植物だそうだ。→参考資料 　石黒で昔、ハエとりにつかったという話は未だ聞かないが今後も聞き取りを続けたい。 　※牧野植物図鑑には花は対生して・・・・とあるが筆者の見る限り互生の状態でついているものが多い。対生しているものも稀にあり、両方混じったものもあるが・・・。一方の花芽が欠落したことも考えられる。 　また、手持ちの植物図鑑にはないが、WEB上では「ナガバエドクソウ」の名前もみられ、特色として最上部の葉の基部が切り形であるとしているが、今後留意して観察したい。暖帯性なので新潟県には自生していないとは思うが・・・。 （写真2007.7.6 下石�K） 　　　　　　　　　　　　　　蕾の頃 写真2009.6.12下石黒 　　　　　　　　　　　草全他の姿 写真2007.7.6 下石�K 　　　　　　　　　　　　　　　　花期 写真2007.8.1下石黒 　　　　　　　葉の脈状の毛 写真2007.10.14 下石�K 　　　　　　　　　　　葉の形と表裏 写真2010.6.3 下石黒 ※葉の基部の形はナガバハエドクソウのように見られるが・・・。 　　　　　四角な茎 写真2010.6.3 下石黒 　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　秋の頃の姿 写真2014.10.26下石黒 　　　　　　　　　　　　秋のころの草姿 写真2009.10.6下石黒　　政栄	解　説 ハエドクソウ科 　北海道から九州の山野の林やヤブの中に生える多年草。 　根はやや太い（下写真）。 　茎は直立し四角形で（左下写真）上部はしばしば分枝し高さ３０〜７０�p。節間の下部はふくらむ(下写真)。茎には下向きの毛がある(下写真)。 　葉は対生し細い葉柄があり縁には鋸歯がある。両面の特に脈状に細かい毛がある〔左下写真〕。長さ７〜１０�p、幅４〜７�p。質は薄い。 　花期は７〜８月。枝の先に長い穂状花序を出し多数の白色〜薄紅色の小さな花をまばらにつける。花は下から順番に咲く。 　また、花は対生し（※）柄がなく花序の軸に密着し初め上を向いているが花が開くにしたがって横向きとなり実になると下を向く。 　ガクは筒形、背面の３裂片はトゲ状で、果実のときには成長して硬いかぎ状となって他の物に付着する〔下写真〕。 　花冠は淡紅色、長さ５�oほどで唇形で下唇は大きい（上写真）。雄しべは４個で上の２個は他より長い。 　果実はイノコズチに似ていて下向きにつく（写真右中）。果実には鉤があり動物などについて種子を散布する。 　名前の由来は昔、根をすり下ろして絞り汁を紙にしませてハエとりに使ったことによる。 　　　　　葉の鋸歯 写真2009.10.14下石黒 　　　　　脈上の細毛 写真2009.10.14下石黒 　　　対生してつく花 　　　互生して付く花も写真2012.7.9下石黒 　　かぎ状の種子の先端 写真2007.10.14 下石�K 　　　　　やや太い根 写真2010.6.3 下石黒 　　　　　節間のふくらみ 写真2010.6.3 下石黒 　　　　茎の下向きの毛 写真2009.6.6下石黒