カワニナ
暮らしとの関わりタ
 石黒には昔からホタルが多くいたことからカワニナも多くいたのであろうが、タニシに比べ余り目立つ存在ではなかった。タニシは子どもの頃から、家人に言いつけられてニワトリの餌に採ったり、魚釣りの餌にも使ったので親しみのある存在であったがカワニナは子どもの眼中には無かったようだ。
 ホタルが成虫になるまでには、30〜40匹のカワニナを食べるといわれるから現在でもかなり多くのカワニナが生息しているはずである。
 蛍が石黒川と、その支流付近に多く見られるので、その辺の沢などに主に生息しているものと思われる。
 上石黒の、地名モウギダイラの農道山沿いの水路には、たくさんのカワニナが見られた。しかし、この沢も去年(2010年)にコンクリートの側溝に変わってしまい今ではカワニナは全然見られなくなった。
 下写真は市街地周辺の水田の水路で撮ったものだが、この水路もコンクリート化工事が進んでいるので早晩カワニナの住めない所になってしまう。自然、蛍も見られなくなることだろう。

〔写真2005.7.9上石黒の石黒川支流〕


    市街地周辺の水路で見られるカワニナ

写真 2021.4.21 新田畑


解 説
カワニナ科
 日本全国の河川や沼に分布する。
 殻は細長くて高さ3cm、太さ1.2cmほどが普通である。通常殻は3〜5層くらいで先の部分はおかされて失われているものが多い。〔淡水に石灰分が少ないことによる〕
 雌雄異体であるが区別は外観では難しい。卵胎生で母体に1000個ほどの子をもっている。
 一般には清水に棲むといわれるが実際には生活排水の中にも多く見られる。
 蛍の幼虫の餌として知られる。肺吸虫という寄生虫を持つ。



    水田水路での様子
写真 2021.4.21 新田畑