ハンミョウ

暮らしとの関わり
 子どもの頃から見慣れた昆虫の一つであが、体の派手な色彩が毒々しいためか、親しみをもたなかった。地上を移動する速度は並大抵の速度ではなかったため捕まえる事も難しかった。当時は、敗戦直後のことで、虫取り網など持っている子どもはいなかったので、竹ぼうきなどで捕まえたが昆虫が傷ついてしまうことも多かった。
 今、捕らえて間近に観察するに、これほど美しい色彩の紋様をもった昆虫はいないと思うほどだ。
 また、子どもの頃、ハンミョウと形が似ていて、体が褐色の「ヘッコキミシ」と呼んでいた虫(オサムシ?)がいたが、こちらは、親しみをもった。触るとオナラのような音をたてて尻からガスを噴射するのが、とても面白かった。仲間で追っかけて棒で押さえて「何発屁をこいた」などと笑いあったものである。
 本ページを作るにあたって調べたところでは、尻から噴射するガスは℃100近い高温であり、直接皮膚に当たると火傷状となるとのことであるが、被害を受けたことも聞いたこともない。「屁」から汚いという印象を受けた子どもたちは直に触らなかったのではなかろうか。
 それに比べ、子どもの間では、ハンミョウには毒があると言われその姿の毒々しさから皆が信じていたように記憶している。

〔写真2006.9.22下石黒 上・右上は♀ 右下は♂ 

※見分け方→〔口の牙のようなところが♂は先まで白い


        獲物を狙うハンミョウ

撮影日2006.9.27下石黒

             横姿

撮影日2007.9.15下石黒

解 説
ハンミョウ科
 本州、四国、九州、対馬、屋久島に分布。
 新潟県では佐渡島にはいるが粟島では未だ発見されていない。
 体長20oほど。体は紫、赤、緑などの金属光沢のある美しい色をしている。
 5〜8月頃に多く出現し、鋭い昆虫などの小動物をとらえて食べる。
 幼虫は土中に穴を掘り身を潜め、近づいたハエやアリなどの小動物を鋭い顎でとらえ穴に引きずり込む。幼虫で越冬する。
 また、人が近づくと前へ前へと飛ぶ習性があるため「道教え」とも呼ばれる。
 なお、ハンミョウには毒があると言われているがツチハンミョウやマメハンミョウの類のこと。
 名前の由来は、獲物を追いかけ取り押さえる姿がネコ科の動物に似ているため〔斑猫〕。



   翅の美しい色彩と紋様

2007.8.13下石黒

      横姿-2
2007.8.25下石黒

       横姿-3
撮影日2006.9.27下石黒