カブトムシ
暮らしとの関わり
 広葉樹林が多く堆肥用の積み草などを多くつくった昔の石黒は、カブトムシにとって最高の環境であった。
 サツマイモの苗床を取りこわすとたくさんのカブトムシの幼虫が出てきたものだ。
 夏の夜に灯りを求めて家の中入り、大きな羽音をたてて飛び回るカブトムシは大人には嫌われ者だったが子供たちは喜んで捕まえて遊んだ。
 しかし、カブトムシは何匹捕まえてもクワガタのように自慢の種にはならなかった。特にメスは価値がなかった。
 とはいえ簡単に捕まえられたことでカブトムシは、当時の子供にとっても最も親しみのある、遊び道具の一つのような存在であった。
 しかし、現在の子どものように飼育してその生長を観察するような研究観察はしなかったように思う。

写真2007.7.28下石黒


           雌の体の上部

写真2007.7.28下石黒

解 説
コガネムシ科
 日本全土に分布。日本の甲虫では最大で角まで含めた大きさは60ミリにも達す。
 雌は角がなく、全体に雄のような光沢がない。〔左上写真〕若い成虫は赤褐色。
 雌は朽ち木、落ち葉の積もった中に産卵し、卵期は約1週間。幼虫は周囲の腐った植物質を食べて10センチメートルぐらいの長さまで成長し、〔下写真〕越冬してから初夏に蛹(さなぎ)になり、7月ごろ成虫になる。
 名前の由来は雄の角を兜の飾りに見立てたもの。
(兜の方がカブトムシの角を模して飾りとしたものかも)


    幼虫

写真2007.6.2下石黒