表紙へ    原文  P.1    次ページへ     読み下し文
   それ、おもんみれば、仏閣は無明の闇を破し 覚路を開く地
道場は煩悩の糠を去り、実相を顕す処とかや
ここを以て、須達は神仏の因縁に若干の金を 地に敷き祇陀
発願の便りとして珍樹妙花を植え、優田、初 めて栴檀を
刻み、波斯同じく金像を鋳る。漢帝東流の夢 法皇再来の
献、唐土に興って後 法流東漸して伝燈の聖 皇附神の下に
生まれ法燈の真人重ねて馬基(ばたい)の前 に出で給いしより以来、佛日普く
 意訳文
 
そもそも、考えてみれば、寺院は人の無明の闇を破り、悟りへの道を開く場であり、本堂は煩悩の垢を取り去り人間の実相を顕す処で
はなかろうか。
それゆえ、須達は神仏に帰依し若干の金銭を地に敷きつめ、祇陀(ぎだ)は発願の頼りとして珍しい樹や花を植え、優田は初めて栴檀を彫り、ササン朝ペルシャと同様の金像を鋳る。後漢皇帝が(以下意訳中)