セオイカゴ      
 石黒では「ソイカゴ」と呼んだ。マンサクウワミズザクラなどの粘りのある木を組んで骨組みを作り、アケビの蔓を巻きつけて作った。枠木の組み立てにはフジづるを使う人もあった。
 ソイカゴは、背負い梯子に篭を付けた背負い具で便利な道具であった。
 昔は、白菜やキャベツなどを運ぶにはどうしても必要な背負い具であった。その他ウマイゴ〔馬小屋の敷き藁から作った堆肥〕を背負って運ぶ時にも使われた。どこの家にも一つは必ずあった。一部の家にはセオイカゴの小型のものもあり土や石など運ぶ時に便利で「石背負いカゴ」とも呼んだ。
 筆者の経験では、背負いかごは上部が広いため左右の重量バランスを考慮してパッキングする必要があった。
 また、作場に行くときには堆肥などを入れて運び帰りには野菜や山菜などを入れたりした。
 また、クワや鎌、あるいは弁当もちで遠山の作場に行くときにはワッパを風呂敷に包んでセオイカゴに入れて運んだ。テゴもちょっした荷物の持ち運びに使われたが、セオイカゴは活用範囲が広く作場への行くときには特に女性が背負っていたことを憶えている。

民具補説→背負いかご