民具補説
               皿つき棒ばかり
 昭和の初めの頃は、集落にハカリ(秤)のある家は数えるほどしかありませんでした。皿つき棒ばかりは最高計測量が1貫目(3.75s)でしたが私の家にあった秤は1貫目ばかりでした。
 当時は、郵便小包を送るときなど目方が重すぎると郵便局で断られましたので荷物の重さを量ってくれと言って来る人もいました。

 その他、よく皿つき棒ばかりで量った物にコンニャク玉がありました。家でコンニャクをねるときにコンニャク玉の目方やコンニャクを固める炭酸ソーダなど凝固剤の目方を量るために使われました。
 また、ヤマノイモを掘ってきた人が売るために目方を量ってくれと持って来ることもありました。その他、稲の予防に使う三共ボルドーの粉剤を量りとかす水の量を決めるためにも使われました。
               文・図 田辺雄司(居谷)