取り替わせ川瀬違い取極め一札の事-※石黒寄合   (矢沢繁徳家文書)  用語の手引き
  川瀬違い


定受山

村持山


古田


水下(みずしも)


堰揚げ口→用水の取水口のことであろう。


川敷


孫穴→堰の本流を親、堰揚げ口(用水取り口)を子、更に新たに作った取水口を孫穴と呼んだものか


この文書では、井溝(水路)を指しているのではないか。


進退


違乱 
 
   取り替わせ申す川瀬違い取極め一札の事
 一、門出村山の内 石黒枝寄合村定請け山      嶺より南は高奈と  中野嶋
          澤田山と、その村持山高奈境目但し 北は沢田山 字 と申す所
 今般、私義古田堀添えのため相願い申し上げ候処
 門出村水下中一統相談の上瀬地替え致させ下され候
 尤も、右場所の儀は酉新田の堰揚げ口場に候間川敷
 田地の内にて三十束刈差し上げ申すべく候間水下中にて御支配
 成され候、勿論右田地に付き後日に至り迷惑筋など相懸け
 ず様に仕るべく、また新堰の所はただ今掘割の穴尻にて水
 上り候得共、後日に揚げ兼ね孫穴堀り候節の金子は
 双方半分宛てに出し申すべく定めに御座候、もし新井切りつけ候
 場所井通り兼ね古堰の場所通し候節は右差出
 申し候田地三十束刈を井代として私方にて進退仕るべく
 定めその節違乱あるまじく候、念の為取り替わせ一札
 依ってくだんのごとし      石黒枝寄合村
                     松右衛門 
  元治二乙丑二月       同村受人 
                     甚助
 前書の通り違い御座なく、これに依り加印仕り候
                石黒村
                  庄屋 重左衛門
  門出村水下惣代
     五郎兵衛殿 これは門出村へ渡し候控え  
  
 取り替わせ川瀬地替え申し取極め一札の事-※門出村  (矢沢繁徳家文書)  
  川瀬地替え→川瀬違い



前書→前述した文章



苦体筋→御苦労筋と同意味であろう。
    取替わせ川瀬地替え申し取極め一札の事
 一 門出村山の内 石黒枝寄合村定受け 境嶺より 南は高奈 字 中野嶋
         澤田山とその村持ち山高奈   北は澤田山  と申す所
 今般、私共水下一統相談の上、右の場所川瀬
 地替え仕り候処実正なり、然れば私共酉新田揚げ口その場に
 候得共、貴殿願いの筋に付き川瀬地替え、いたさせ申す処
 実正に御座候、右の場所に付き脇より何かと妨げ申す者御座候はば
 水下中、いず方迄も罷り出で貴殿へ御苦体筋相懸け
 申すまじく、且つ又堰の分は後日に至り迷惑筋相掛け下さる
 べからず様、去りながら川敷の内にて田地三十束刈下し給わり寿
 納仕り候、念の為取り替わせ申す一札依ってくだんのごとし
             中之坪水下惣代 
 猶また、新堰の儀はただ今掘割穴尻より          五郎兵衛
 水取り候得共、後日(に)いたり孫穴堰堀候節    請け人
 懸かり金子は双方半分宛て出し申すべく定め        治郎兵衛
 に御座候 以上               門出 同所 仁右衛門
 元治二乙丑二月                  同所 同人代印
                             長右衛門
 前書きの通り相違御座なく、これに依って加印仕り候 以上
                     庄屋
                      矢代惣左衛門
      石黒枝寄合村
           末右衛門殿           
                  
   
読み下し文・用語手引き文責 大橋寿一郎