冬休みのスキーと夜遊びの思い出
                     大橋洋子
 冬休みの天気が良い日は、子どもから大人までの多くの人で村はずれのスキー乗り場はにぎわいました。
 板ゾリワラゾリなど思いおもいの楽しみ方がありました。スキーに乗れなくとも大人の誰かが途中からすくい上げるようして抱いて一緒に滑り降りてくれました。
 正月の羽根つきや凧あげも楽しかったですが、とくに正月だけ大人からも特別許されていた夜遊びが楽しかったことを忘れません。5、6人の友達と日を替えてあちこちの家に押しかけて遊ばせてもらいました。
 こんなときの遊びはカルタ、五目並べ、メンコ、花札などだったように思います。
 家の人は、コタツが冷めてぬるくなった頃を見計らって囲炉裏でおこした炭やオキをそっとつぎ足してくれました。でも、決して遊んでいる子どもたちに口をはさむようなことはしませんでした。
 ただ、遊びに夢中になって時を忘れていると頃合をみて「ねら、そろそろけぇーれや」と声をかけてくれました。私たちはわれにかえり、遊びを止めて帰り支度をし挨拶をして帰りました。
 
小正月の月夜の頃で満月を見上げ足を踏み外して雪の中にはまりながら家路を急いだものでした。

(福島県在住)